第25話

俺は高原エリアをAUGを抱えて走っている。


AUGには4倍スコープと等倍サイトを載せているので、高原エリアでは遠距離〜近距離まで対応ができるはずだ。


高原エリアでは施設内以外ではなだらかな丘陵が広がっているので、見通しは良く、射線は通りやすい。


もちろん。こちらから見えるということは相手からも射線が通るということだ。


この「OUT of BATTLE ARENA」というゲームは相手な位置を把握することが、勝利への第一歩となる。


俺は相手の足音や物音を聴こえやすくするようにサウンドピックアップ機能が高いヘッドセットを使用している。


今回は、チュートリアルということなので、基本に忠実に索敵と射撃を行っている。


このゲームは基本的にはチームで動くことが圧倒的に有利だ。


よくゲームの動画サイトでソロ対複数で、ソロ側が勝利する動画が上げられているが、それは例外的なもので、基本的には複数が有利だ。

銃口の数が多いということはそれだけ攻撃の数が違うことを表しているのだ。


では、ソロでどう勝つかというと、相手がパーティーであるならば、隙をつく、先制攻撃をする、できるだけ1対1の状況に持ち込むということを忘れないように立ち回ることが重要だ。


俺はこのチュートリアル期間中はそれを意識して行動するつもりだ。

どうやら、今度のNPCはチームで動いているらしい。


これがプレイヤーのチームであれば、総員足音や物音を最小限にするのだが、NPCはそんなことはお構いなしに前進をしてくる。


やれやれこんなに物音立てていると1キロ先でも位置がわかるぞ。


うん?どうやらこのNPCチームには索敵能力が高い奴がいるらしい。

こちらを捜索するように、味方に指示を出している。

これは、あえて少しだけこちらの存在を覗わせ、相手の正確な位置を割り出すか。


こちらの身体を物影から少し出すと、案の定、相手のリーダーらしき存在が狙撃をしてきた。


どうやら、相手はFALだな。

確かに名銃だが、残念なことに使用する種類の弾丸の炸薬量から反動が強いことが挙げられる。


フルオート射撃なんぞしようものなら、反動を抑えられるのは、ゴリラしかいないだろう。


おまけにこのリーダーはサプレッサーも未使用だから、位置も丸わかりだな。


俺は、相手の装填のタイミングで4倍スコープを覗き込み、リーダーの頭を撃ち抜く。


取り巻きも同様にヘッドショットで撃ち倒す。


〜〜〜〜〜


徳島は今回のチュートリアル戦は

施設内での、近距離戦よりは遠距離戦を意識して行い、勝利をおさめた。

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