第18話

徳島が意識を取り戻すと、そこは見慣れた自宅の居間だった。


居間で寝転んだ状態で、自分のスマートフォンが近くに転がっている。


喉が乾いていて疲労があるが、体調については問題ない。


カテジナには仮想空間での会合で

徳島は妻の捜索を条件に協力をする旨を告げた。


カテジナはこの世界に転生した時に、能力を授けられたらしい。

詳しい能力は教えてくれなかったが、その能力で個人の精神を仮想空間に送り込む事ができ、その間、現実世界に残った身体は、カテジナのもう一つの能力で安全な空間に保存されるらしい。


仮想空間でのゲーム世界には、鎮痛剤や筋力増強剤などの薬物やケガの縫合をする簡易的な手術キットなどもあり、自分で施術したりする。


現実世界で実際にそんなことをすると身体面や精神面にかなりの負担になるが、仮想空間で行った行為に関しては、身体的にマイナス面の影響が出ないように調整しているらしい。


筋力や判断力の能力の向上などのプラス面に関しては効果があるように調整したとのことなので、明日、いや、年齢からしたら明後日以降、筋肉痛に悩まされるだろう。


仮想空間でのゲームに参加するのは徳島の休みの時で良いらしい。


カテジナは、仮想空間に人の精神を送り込む能力はまだそこまで強くなく、そんなに人数を送り込むことはできないらしい。


数人をローテーションして回しているので、それなりに忙しく立ち回る必要があり、毎日、参加してくれない方が都合が良いらしい。


もちろん、カテジナの能力が上がれば、参加回数を増やしても良いとのこと。


時間に関しても、現実世界の1時間を仮想空間での5〜10時間に延ばして設定しているらしいので、徳島としても都合がつきやすい。


仮想空間でのゲームに参加する方法は、今、床に転がっている徳島のスマートフォンから、普段やっているゲームアプリを起動させ設定を変更させれば参加可能らしい。


もちろん、普通にスマートフォンでのゲームも行うこともできる。


仮想空間で参加しなくても、普通にゲームして技術を上げてもらいたいとカテジナは言っていた。

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