第6話
真央の作品が絵の具で洗い流されてしまった理由を突き止めるため、私たちは周囲を注意深く調査した。すると、真央の展示会場には水道の蛇口があることに気付いた。
私たちは疑念を抱きながらも、水道の蛇口をひねってみることにした。水が流れる音が響き、すぐに私たちの予想が的中した。水が勢いよく飛び出し、真央の作品を濡らしていく。
綾音が驚きの声を上げながら言った。「水道の蛇口が開けられていたのは、明らかに事件の手口ですね。しかし、この場にいたのは真央さんと私たちだけ。犯人は誰なのでしょうか?」
私たちは周囲の状況を再び注意深く観察し始めた。すると、真央の作品の隣に展示されていた画家たちの作品に何か違和感を感じた。
私たちが作品に近づくと、その中に微かに水滴がついていることに気付いた。それぞれの作品を確認していくと、ある作品には大量の水滴がついていることが判明した。
被害者たちの作品に水がかかったことで、真央の絵画が消えたように見えたのだ。
私たちはその作品を持ち主である画家に尋ねることにした。彼の名前は篠崎瑛子(しのざき えいこ)という。
瑛子は驚きと悲しみを隠せない表情で話し始めた。「私の作品に水がかかったのは、ただの偶然だと思っていました。でも、真央さんの絵が消えたと聞いて、私の作品が原因ではないかと考え始めました」
彼女は自身の作品には大切な思い入れがあり、真央の成功に対する嫉妬心を抱いていたことを告白した。
私たちは瑛子の言葉から、彼女が真央の絵画を妬んでいると同時に、自分の作品を保護するために水をかけた可能性があることに気付いた。
しかし、証拠が不十分であるため、瑛子が犯人であることを断定することはできなかった。
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