【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部】

ナポリタン食べきらぬまま恋がとけ ホワイトデーが空白になる

ナポリタン食べきらぬまま恋がとけ　ホワイトデーが空白（ブランク）になる

※(筆者コメント)

ナポリタンとは、小さい子が口元を真っ赤にして頬張るナポリタンスパゲティーのことではありません。コーヒーなどを注文した際に提供される一口サイズの高級チョコレートのことであり、バレンタインデーの贈り物にも用いられます。

きっと彼は毎日１つずつ、幸せをかみしめながら味わっていたのでしょう。ですが、春は1年で最も環境変化の大きな季節。環境が大きく変わるなら、人の気持ちだって大きく変わっても何ら不思議でありません。かくして、バレンタインデーから1か月も経たないうちに、二人の関係はとけてしまいました。個人的にはバレンタインデーとホワイトデーの間の1か月の間には、お互いに意識をして何らかのプチイベントを作らないとダメな気がします。

というわけで、ナポリタン(チョコレート)と恋が「とける」に掛かり、ホワイトデーとブランクが「白」に共通するもその意味するところは真逆である、そんな言葉遊びを取り入れた歌です。