いそ。作成の台詞酋

台詞編

全編を通して、改変、人称の変更を許可します。

自由に解釈を広げてお楽しみください。

1　オレノハジメテ

俺は、この栄華を保つためだけに生きてきた。

だが今!ここで!「家」を捨ててしても守りたいものが、できたんだ!

もう何にも囚われない、「自由な俺」を!

仲間が、友達が！コイツ等が肯定してくれるんだ!

俺の…「一人の男としての」初めての!

変身!!!

2　KAWAIIの皮を被って

お疲れー!授業疲れたね!…ほら、手、繋ご?

今日はどんなことがあって、誰と会話して、誰と触れたの?

どうしたの、手に力がこもって…

私があなたが大好き。だからあなたのことは一つ残らず知りたい。

知りたくて、仕方がないの!

私も何も隠さない、だからあなたの…すべてを教えて?

3　きっとまた居なくなる貴方

零(こぼ)れ在りぬ,この声が。

掠れ立ちぬ、あの歌が

風にたゆたうなら

貴女へと届いてくれればと願う。

「さようなら」も言えぬまま

一つ報せも残さずに

去(さ)り退いた私に

惑(まど)いと、怒りと、欺瞞(ぎまん)を、悼(いた)みながら。

4　女傑の英雄譚の最終章

勇往邁進、我らが軍は常に勝利のみを糧に行軍を続けてきた。

なのに今回の痴態はなんだ!撤退に敗戦を重ね、疲弊も頂点に達し、王にも見放された…

貴様ら、最後の命令をする。私を守れとは言わない。敵を倒せとは言わない。

生きろ!!泥水を啜ってでも生き、必ずその身を保ったまま国へと戻れ!

…最後に。指揮系統の私は孤軍でも奮闘する。

貴様らを生かすのが上官の資格だからな。

それでは…散れ!

5　好敵手の強がり

だ・か・ら・!俺は「努力ー」とか、「根性ー」とか、そういうみみっちいのが大嫌いなんだよ!

はぁ?「努力しないと大成しない?」ははっ、バーーカ。俺は才能でリカバーできるのよ。

まぁ、それでも…バカの一つ覚えでひたすらに修練するお前も、誰かには輝いて見えるんじゃねぇの?

…でも?俺の方がその倍は輝いてるけどなーー!

6　澄み切った世界を映すニンゲン

生きるのはそう楽しいものでもないよ、たくさんの苦悩を乗り越えてこそ人間の素晴らしさとは言うけど、そんなの戯言、苦痛からは逃げたいものだよ。

心は透明が一番。何物にも染まらず、何物にも囚われず。

自由で、破天荒で、澄み切った世界を映す。

君の心は、洗い流せる程キレイ？

7　世界を掌握する強者

ほう…小娘、そんな中途半端で立ち止まるか…

人間は「恐怖を克服」してこそ、生を実感するものだ…

だが貴様はその恐怖に屈しｯ!惨めったらしく蛆虫の如く這いずり回っているｯ!

貴様への興味は尽きた、ﾌﾝｯ、つまらんやつめ…

8　小さな箱庭の創造主

ねぇ君、大丈夫?

どうしたの？…うん、そう。辛かったね。

苦しかったね、怖かったね…でも、もう大丈夫!

これからは私と一緒に、ずーっと楽しく、暮らそ？

楽しい事、嬉しい事で満ちた世界で二人っきり。

誰の手も纏わない、極上の空間で。

アダムとイヴに、なろうよ。

9　先なしトンネル

長い長いトンネルを、果てしなく、終わりなく。

抜けた先の景色は、想像してる時が一番。

輝かしくて、虚しくて、それでいて、悦だ。

現実何て、そんなもの。

考えてる時が、一番、楽しいや。

10　古き騎士はまた剣を握り

おやおや、面白い話を聞かせていただきましたね。

この老骨、一線を退いた身ですが…

改めてこの白刃を握りなおしましょうか。

…変身!!

11　お兄さんの言ってることわかるよね

難しい事は、言ってない筈なんだがな。

金を借りたから返す。当然だなぁ?

返さなかったら罰を受ける。これもまた当然だなぁ。

じゃあ罰を受けずに逃げ出した馬鹿はどうなるか!

…決まってるよなぁ。

good bay,have a nice dream!

12　世界を遠く眺めて

この世には、悲しい事、楽しい事、辛い事、面白いこと。たーくさんあるね。

愛が…心を奪われるか、奪うかの極限の後に生きるのがこの修羅の世界なら。

この心が、壊れてもいいわ。

13　そ、素数を数えて落ち着くんだ

世界の円環の理は私に勝利を与えてくれる!

運命(さだめ)は絶対なのだァーー！

貴様の断ち切られるその苦悶を、しかとこの目で見届けてやる！変身!

14　自家製メンチカツの販促でした

「個性を伸ばせ」とはこの学校の校訓で言ったけどさ、

流石にメンチカツを校門前で切りながら校歌を熱唱するのはどうかと思うよ？

あと異様に歌上手いよな、あメンチカツくれるの？いや嬉しいけどさ…お、うまっ

15　この箱の中で

ここから出ようって、そうはいかないよ。

これからも、この先も。

永遠に、ずっと、ずーーっと。

私と二人、溶けて混じり合うような『純愛』を楽しもう？

え・い・え・ん・に　。

16　最後の壁をやぶるべく

白く白く、隔てられた壁の向こうから、光が差す。

今日は素晴らしい日だ。

草は揺れ、小鳥は歌う。

これが『彼』を救い出す、最後の戦いだと思うと、

ケ ツ イ が 、 み な ぎ っ た 。

17　僕は君を守ることしかできないから

今日も頑張ったんだ、と君

は、いつものように無邪気に笑う。

えっへんと胸を張っている君が、あまりにも愛らしい。全てを捧げてもいい、そう思ってしまうほどに君を愛している。だからこの唄は、彼女の前では歌えない。

(僕がいなくなる時、君の心に傷がつくよう

そう願ってしまう脆弱を、一つだけ許してほしい

僕はパトリオット【君の物】さ)

18　君にこの汚らしい花束を

この世界は、何に例えればまとまるだろう。

憎悪と醜悪の蔓延るこの世界で、僅かな希望を持って生ける僕たちは、聖人だろうか、愚者だろうか。

僕が諦めたこの世界を君はどう生きるか。

期待してるよ…

19　貴方には私が戦う理由がわからない

私、バカだからさ。普段皆が勉強してる内容も、何にもわからないけど…これだけは理解(わか)る。

貴女はここに存在してはいけないよ!能がない私が、唯一使える最後の力で!

…あなたの全てを、終わらせてあげるから。

20　戦乙女の舞

此処(ここ)に捧げるは、純潔でも乙女でもない。

私の心に巣食う溢れんばかりの闘争と、血で血を洗う苛烈な戦場だ！

女の私が己をさらけだす唯一の地、ここだけは誰にも譲れんなぁ!

21　僕の流れ着く先

命を運んでくると書いて運命…運命は流れるもの、縛りもなく、なぁなぁにたゆたう海のような…現に今、私が今珈琲を飲むのもきっと運命だ。

さぁ、僕はこの依頼、受けるのが…或いは、受けないのが運命か。全てを託すとしようか。

22　僕だけの先導者

私はコンダクター。全てを見渡し、皆を引っ張る、いわば「引率」。

それでも皆を支える貴方だけに、視線は釘付けのまま…!

何でだろうね、何でだろう。貴方だけの、私の為だけの演奏を見せてほしいと思うのは悪い事?声を大にして、私の為だけに音を張り上げて?

私が、『支配』してあげる。

23　君を跨がせたのがいけなかった

ぐッ、多勢に無勢か、このままだと押し返されちゃうかもなぁ…

キミ、大丈夫?そのケガだと…走って逃げられそうにもないね。

手を出して、…よっ!悪いんだけどこのまま、背負ったまま戦わせてもらうよ。

じゃあ…鏖殺させて貰うぞ、多勢に単騎も楽しめそうだなァ、振り落とされても知らねぇぞ!

24　野郎の泥に汚れた青さ

お前等にはわからねぇけど、のうのうと生きてるだけのお前等にはわからないだろうけど!

汗かいて、泥にまみれて、地べたを這いずり回るような、そんな青春が、何よりも輝いていて、変えられない素晴らしいものなんだよ!

25　未知のプログラム「世界」

open…薄目を開けて、まだ明けたばかりの世界を視る。

move…体の動きを脳で理解し、世界への順応を測る。

世界は…人は…機械仕掛け。

全てはlawで縛られる。順応を越えたuniverseを探す旅は過酷。

それでも貴方は…このWay of Shuraを…私と征くの？

26　「染まれない純潔であれ」

全てを混ぜた、黑。幾千万色を淘汰した全てを統べる単色が黑であるなら。

この世は、黑に染まるのか。行く先知れず、一寸先も漆黒の世界を生きるのが

『綺麗』を望む僕らの終着点なら。

不完全な、有彩色を。不完全な、完成を。

私ハ望ム。

27　そんな担任の文化祭の出店はメイド喫茶です、可愛いですね

はぁ、今年からはブレザーか…いやなに、ボクは制服が嫌いでね。

何?何故制服を忌み嫌うのかって?…簡単な事だろう。

先ず高い。二着買うだけで十万超えるんだぞ?普段の私服とどれだけ差があるか。

統一性を求め過ぎなのも難点だ。これからの青春、その一着の記憶しか残らないんだぞ?

それに卒業と同時に使わなくなる。場所も取るし廃棄に困る。

挙句の果てには制服に言い知れぬ感情を抱く不埒で悲しき輩まで生み出したんだぞ?

それに…それに…何？必死？

…ボクが制服を嫌う最もな理由を教えてやろう。

…着れるんだよ。成長してないせいで、高校時代の制服が着れるんだよ、まだ…!

28　思考の芯

難しく考えるから大変なんだよ。何でも理屈でこねくり回すから複雑でよくわからなくなるんだ。心に問いかける。ただその導きに従って生きる。本能ってそういう事だと思うの。

ほら、眺めてごらん。空は幾千の星、地には幾万の光。

黒く深い深淵の先に、僕らの言う『心理』がある。

迸る汗も、体に纏わり着く湿気も、すべては同じ事。

『本能』を、『生き様』を。…大事にね。

29　ヤケクソ怪談話

これは…背筋も凍るある真夏の怪談…

夜中の蛍光灯を振り返って…ポマード？

駅のロッカーを開けたら…三階のトイレから笑い声が

それで…それで…

おまえだぁぁぁぁあああああ！！！！

30「言うだけならタダなんですけど？！」

…最近、カワイイって言ってくれなくなったよね。

なんでなの?!まだ付き合って三日しかたってないじゃん？

…え？付き合ってるって意識したら言えなくなってきた？

えー？一緒に帰ってた時はあんなに恥ずかしそうに「可愛い、好き」って言ってくれてたの、すごくうれしかったのにな～!

はーぁ、私の好感度が3、下がっちゃいました～。

えっ？はっ？いや、そんな次矢作に言われても…

あの、ちょっ、待っ…

…にゃあああぁぁぁぁ!(恥ずか死)

31ヘビが睨んだなんとやら

貴方と初めて過ごした夏。君を伝う汗を…君の飲むスポーツ飲料を…

羨ましいと思った。

君から滲み出た汗を、君の粘膜を伝う液体を。

羨望の念を込めて目を離さなかった。

…何故目をそらすの?

君は逃れられない、一糸纏わぬ私と、鎖で繋がれた君。

今度は私が逃さない。

君に付きまわり、君の生きる糧になってあげる。

32　狂愛も盲目

君が楽しく生きるにはなにが必要?

ゲーム？パソコン？料理もいるよね。

私は…貴方だけがいい。貴方さえいれば、どんなことだって乗り越えられる。

貴方と遊んで？貴方にご飯を食べさせて、夜は二人、同じベッドに寝て…

貴方だけ、そう…貴方以外何もいらないかな。

33　貴方しか居ないもん！

お待たせ!今日も一緒に帰ろう?

え？今日は友達と帰りたい？

もう、僕は君の彼氏なんだよ？私が、君以外に帰る相手がいないのもあるけど…

彼女と彼氏って、一緒に帰るものでしょ?

ほらだから、今日も君は僕と一緒に帰るの!

ほら、早くしてよ！

34　君との愛情の差額

人間に渦巻く「衝動」って、何にも抑えられない物なんだよ。

その…結果です。はい、

いや、友達とはいえ異性が話しかけてきたのに威嚇したのは謝るよ…けどさ!

僕がクラスのマドンナに話しかけられていたら君だって威嚇するだろう？

え…しない？

僕のこと、その程度しか思ってないの?あれだけ囁いた愛してるってウソだったの？

何、周りの目を気にしてって…君と僕の愛は何かに縛られるようなものじゃないじゃん!

35　小物の精一杯の強がり

ったく、逃げんなよ、所有痕を付けるだけだって。だから

何で逃げるんだよ!そんなに俺のことキライか？なぁ!!!

…いや、ごめん、少し言葉が悪かった。

お前は俺の彼女だし、その…綺麗だしさ。不安なんだよ、ずっと…

ごめんな、俺が不甲斐ないばっかりに…お願いだよ、見えない所で、1ヶ所だけでいいから…

俺のものだって証明を、させてほしい。

36　今日の未明、発車です。

悲しみに塗られたこの世界は哀に染まる。

悦びとは程遠い世界での運命が、僕らを縛る。

助けられる命も、救われる命もない。そんな無常の世界で生きる、できる?

白と黒の二分、明暗の隔てり。白にも黒にも混じらない僕ら子供が、行先を決める列車。

星を流れる運命逝き列車、君も舵を持とうか。

37こう言う人は大概人のこと言えない

そうやって君はさ、人を誑かすんだろう?

異性でも気さくに話しかけ、よく話す、ご飯を食べに外に出る、挙句の果てには自分の水筒を相手にあげる、もう確信犯だろう。

何言ってるんだって顔をするな。今挙げた事項は皆、私が君から頂戴した行為なんだからな。

38　絵に描いたような青い春

ずうっとやってみたかったんだ、好きな人と一緒にご飯!

空は雲一つない快晴、手には購買のパン!絶好のロケーションだね!

え?ベタだって?いいじゃーん、ずっと憧れてたんだし。

こんな何でもないような恋愛が、一番求めていたものなんだよ。

…あーっ！今笑ったでしょ!ちょっと感傷に浸って何がいけないの?!

罰として、今日一緒に帰るからね!

39　じゃあ君は私の実験台だね

…君も物好きだね。周囲から理解されていないのは肌で感じている。その辺は解っているさ。そんな私に好意を寄せ、あわよくばお付き合いしたいなんて…相当狂ってるよ、君。

いや失敬、今のは誉め言葉のつもりだったんだがねぇ?

しかし君の口説き文句には驚かされたねぇ、君のことをもっと知りたい、と迫るとは。

普通相手のことを知ってから踏み切るのが人の常じゃないのかい?

…何？魅入られた？あっはは!君も大層、狂ってるみたいだね!そういう所は、『嫌いじゃない』と言っておこう!

40　趣味の悪いドッキリですこと

ねぇ…いつ言い出すの?

何って…ドッキリだよ、ドッキリ!私と付き合うってドッキリのこと!

どうせこんな可愛げのない女とは罰ゲームか何かで付き合う事になったんでしょ?

え?違う?普通に好き?…はいはい、そういうの良いから。

本当に好きなら私の好きなところ一つでも…

って…え?いや、多いってストップストップ…ストップ!止まって!!

はー、はー…わかった、アナタが私のことがすきなのはよーくわかった!

…好きなのが分かるってハズいなぁ…聞いてないよ…(小声)

あの…その…私、ちがうと、思ってたから…

今まで本気にしてなかったけど…これからも、よろしく、ね…

41「腐れ縁はいいけど羞恥心はねぇのかお前ら」

なんかさー、俺の方から切り出して付き合う事になったけどさ…

付き合う前と大して中身変わってなくね?一緒にご飯食べて、一緒に勉強して、一緒に帰って、夜も寝るまで電話する。…あれ、これ以上恋人らしくって何すればいいんだろう?

…そうだなー、弁当お互いにつくってくる…とか…ん、耳貸せって?

……はぁ?!お互い「あーん」する?!嬉しいねぇやってやろうじゃんかこのやろぉ!!

42「貴方が優しいのは、よく知ってるから」

良かったのか?こんな声も低い、顔も怖いやつとその…付き合って。

まぁ…俺はその、嬉しいし、お前が嫌じゃないんならいいんだけど…

え、そういう所が好き?…やめろよ、ハズい。

…クソッ、寄ってくるんじゃねぇ。散れ!見せもんじゃァねぇぞ!

…周りがうるさいし、家に帰ってから話そうぜ?

お前も困るだろうし…

43　「ずっと居たんだし、成り行きでさ〜」

ねぇ知ってる?最近の俺達、『付き合ってる』って噂されてるらしよ?

困っちゃうよねーきっと、俺ら小学校からの腐れ縁なのに!

何、困ってなさそう?

…そりゃ困ってないよ、嬉しいんだから。どうした?俺変なこと言った?

俺はお前の彼氏なんじゃないかって見られてて嬉しい。お前が好きだからな。

…なーに真っ赤になってんだよ、そういうのは普通告白した俺が照れるんじゃないの?w

で、結局。どうなの。俺はお前が好きだよ。そう伝えた。お前はどうなの？

44　「相棒（使い魔）」

ちょっと、早くしなさいよ!今日中にやらないといけないことが沢山あるんだから。

なに?貴方は私の恋人である前提に、私の手となり足となる『相棒』なのよ!

…え?相棒ってそういう意味じゃない?いいのよ、私とあなたの間ならそういう事、ってすれば!

ほら早く、自転車もっと早く漕ぎなさいよ!

45音は人を写す

ねぇちょっと、なーに聞いてるの!!

ふふん、イヤホンいただきー、さてどんなのを…ぅわっ!

音でっかーー…こんなので聞いてると、耳、悪くなるよ?

ほら、音小っちゃくして、はやく!

…うん、いいね。テンション上がってくる!思わず体が動いちゃうよ!!

でも意外だな、君はこういうの…電子音楽っていうの?聞かないと思ってた。

面白いなぁ…好きな人のことをたくさん知るって、素敵な事だと思わない?

46僕にこれを教えてくれた君

…今になっても、不思議だよ。

あれだけ気味悪がられてきた僕とこういう関係を望んだ人は、いままでいなかったからね。

僕にしか見えない世界を認めてくれたのは、君が初めてだよ。

あれ?なんだか胸があったかい…

そうか、そういう事なんだね。これまで関りを拒んできた僕を包んでくれる君は…

そうか…これが、愛で、恋なんだね!!

47　万年補修脱却を目指して

おはよう、ございます。

そのっ!…昨夜はありがとうございました。

こんな根暗で勉強しか取り柄なさそうなのに頭悪いって、もう取柄もないですよね、えへへ…

話せて楽しかった?それは…何よりです。でも体調とかも大丈夫ですか?かなり遅くまで付き合わせてしまって…

やっぱり眠いですよね、すみません…

…あの、

とっておきのお昼寝スポットがあるので、学校が終わったら一緒に行きませんか?

48　秘密の恋愛

こんなさ、面倒くさい身分してるせいで大人からは恋愛は止めとけって言われるけどさ…

やっぱり自分のことを認めてくれたお前をほっとけないんだよな…

俺の面の皮剥がしたのもお前だけ、それを受け止めてくれたのも勿論。

特別な感情を抱くのも、あんまりよくないのかなぁ…難しいなぁ

49　「ああ、君は瞳の色の意味を知らなかったのに…」

変わった色だよね、この瞳…お医者さんによると感情と一緒に変わるらしくって…

普段は黒色のコンタクトだけど、君にはもう…見られちゃってるし、ね。

そういえば普段君といるときの私の瞳って何色?自分じゃわからなくってさ～

…え?ピンク?それじゃあ…ピンクの時は…たしか、たしか…///

だ、ダメ!今から私の瞳見るの禁止!絶対ね!

…今まで好意剥き出しだったって事?!はっずかしい…(小声)

50　「介抱役の甘い復讐」

あーもう、べろんべろんに出来上がっちゃって…大丈夫?ほら水…

って、ちょっと、急に抱き着いてこないで!まだその心の準備が…(モゴモゴ)

……私を置いて泥酔ですか、ホントいいご身分だ事!はぁ、昔から貴方の後始末ばっかり!

…さっきちょっといい匂いだったな、起きてないよね?(小声)

そう、これは仕返し、単なる罰だから。他に深い意味はないから!えいっ!

……本当に、やっちゃった…!

51　ちゃんと口に出すのが大事

あーかわいい。やっぱお前凄い可愛いよ。中学から俺が好意を寄せてるだけあるわ。お前は一切気付く素振りなかったけどな!

…酔ってるかって?いやぁ、まだ半分も溜まってない。完全な素面。

何驚いてるの?いや別にこんなの冗談でも言わないけど。

酒の席位お前が軟化しないと言えるようなないようじゃないからな。

じゃあ金置いておくからさ、俺先帰るね。

…あと、返事も明日中!いいね!わかったら返事!

…うん、いつもと違う感じも可愛いわ。

52　砕けない「心」のパーツ

…っ、肩部装甲破損、戦局は芳しくありません。

この状況を打開するには一旦退却の後の保養か戦力の追加投入が妥当かと…

…特攻、ですか。ミッションをリード、最終作戦『特攻』を遂行します。

どう転んでも生還は許さない、との事ですか。

…いいでしょう、舞疲れ、この身朽ち果てるまで…戦い抜くと誓いましょう。機動!

53　私の研究議題

わからない、って…まぁ、わからないよね、私にもわからないからね。

なんでこんなに笑ってるのか、何でこんなに楽しいのか、何でこんなにあなたに堕とされているのか…

解ったら早い話だけど、分からないからこそ、素敵だと思うの。貴方もそう思うでしょ？そう思うにきまってる。

でもそんなの、心理を追い求める身として許しがたいのよ。だから…ね?研究に協力すると思ってね。

あなたと二人、真理をみっちりと突き止めに行くよ。そのためならどんな犠牲も…厭わないけど♡

54　三猿の紡ぎ

凄惨を見ないために瞳を閉じ、人を傷つけないために口を噤む、

罵詈雑言を聞かないために耳を塞ぐ。

全てを閉ざした私と、すべてを受け入れる貴方。

私が『心を』…閉ざした穴を開くのが先か、

貴方が、すべてを振り捨てて私と逃げ征くか。

最後の結末は、二つに一つ。

55　全てを覗く超越者

生存本能の最終防衛ライン、生の極限。

ゆらゆらと生きるもそれもありもなし、食うに困れば腹を括る。

のらりくらり生き永らえないなら、とってんぱらりのぷう、底なしへまさかさま。

生きしも脆し人の世を、さながら綱渡り。

最後に投げるは人生の大団円、遺言の亡き後に。

心砕け、ただ終わりを望む我らが餓鬼道に、一滴垂らすはだれかかれか。

56　踊り狂う地獄ツアァ

うずくうずく体を抑えてはちらちらと人の刺す視線を受ける。

ぬらぬらと鈍く光る鮮血を除く目も皿の如く開く。

お前はなんだ、生きるはなんだ。

忍び寄る白くてらてらとうねる細腕に首筋を伝われながら、

黒き八足がこちらこちらと手招く。

呑み込むは先が地獄八町、惨きを絵にした如くこの世の終わり。

踊り狂え、笑い狂え。正気はおさらば、笑みをこぼせ。

まともが生きられない世界を、、ゆらゆら肩を揺らし歩け。

57　君の心もここには無いのか

心此処に在らず、って素晴らしい言葉だと思うんだ。

目の前のことに集中しなきゃいけないのにさ、心だけ家に置いてきたように何も考えられないんだもん。

勉強も、遊びも、部活も、てんでダメ。なにしてもできる気しない。

ご飯もおいしくない、寝付けない、だんだん不健康になっちゃうよ…

…ここまで話しても何に心を奪われたか聞かないのは、挑発、とみていいのかなー？

58　僕が眺める宇宙（ソラ）

日のさす空を眺める。

蒼(あお)に塗られた星空を眺める。

黑(くろ)の先の宇宙を眺め、幾光年先の朱(あか)い恒星を捜す。

悲しくなるような遠方の恋心に憂いを混ぜ、不可視のダークマターと一つになる。

150と-(マイナス)270を行き来するこの空間を懇(ねんご)ろに転がっていく。

ふと、引き戻される。

夏場の、紫外線がじりじりと照り付ける感覚に苛立ちを覚え、またあの朱い恒星を

妬む。

時は葉月、午の刻。幾千光年を行軍する私は今日も蒼星に縛られる。

たった八分、去れどというもの。

私の右脳思考運動は、陽炎のようにふわりと流れ落ちた。

59　目標三番手

私を見込んで、って…冗談よしてくださいよ～、私なんかに。

他にももっと…ほら、あのこみたいな。キラキラした子に頼んだ方がいいと思いますけどね?よくて善戦、の私じゃ、一番は無理ですよぉ。

そりゃホントは…私だって諦めたくないけどさ。

君がいいって?いやいや、そんなに期待され…ても…ﾝﾝ…

そんなに期待されちゃったらさ、頑張るしかないじゃん!

60　ハードボイルド、ってな

…男の仕事の7割が決断、後はおまけみたいなもん、俺の師匠の言葉だ。

そして俺はお前が悪に手を染めない方に賭けたが…ぐはっ!くそっ…

…!　…それでもどうやら「切り札」は、俺の所に舞い込んでくるみたい、だぜ?(音声を流し始める)

『ジョーカー!』

(待機音中に)

這いつくばった地面の味を教えてやるぜ、バッド・レディ?…変身!

(変身完了後に)

…行くぜ、さぁ、お前の罪を…数えろ。

61　人生の迷路

幾重にも途切れぬ喧騒(けんそう)の中、私は迷う。

もしかしたらこの喧騒も、迷い人の集合なのかもしれない、とふと考える。

先の見えない世界、誰もがさ迷いながら、時に壁にぶつかりながら生きている。

ふと、聞き覚えのある声と共に、目の前に手が差し出される。

その手を掴む。温もりと安心が流れ込んでくるような感覚。

一人で流れる世界も、二人で共に流れ着く世界も、それもまた風情(ふぜい)のあるものだと、

手を強く握り返して、私達は強く歩んでいく。

62　インターネット漂流記

電子の海に揺蕩うもの、創られるもの、消え行くもの。

幼少を共に過ごすこの子もまた、電子の海に消え行く運命のもの。

であれば精一杯愛せ。ボロ絹のように使い古される時を彼らは待っている。

…そして、その者の記憶に残ることを、望んでいる。

63　物見兄さんの商店

さぁさぁお兄さん、ちょっと見ていきなさいな!

あぁいえなに、怪しいもんじゃありゃせん、あまりにお兄さんにぴったりなもんが合ってねぇ。

ばばん!これよぉ、どっちか選ばせてあげますって話ですよ。

右手にゃぁ隣の家の男と不倫の逢瀬を重ねてる嫁さん。

左手は先日の金泥棒の犯人のお兄さんの竹馬の友。

…どっちの腹を括らせますかい？

って…どっちも?!

ふふふ、あっはは!お兄さん強欲だねぇ!金なら幾らでも払うって、

あっしはそういう金に物言わせる兄さん、嫌いじゃありませんぜ。

あぁ名乗ってなかったですねぇ。

あっしは物見神。真実を透通す閻魔手鏡の生き写しでさぁ。

じゃあちゃっちゃと済ませてきますんで。ほなまた、ご縁のある所で!

64　掴めるものだけ掴む

確かに俺は…物語のヒーローみたいに、困ってる人皆は助けられない。弱いからね。

でもそんな弱い俺だって手を伸ばせば…目の前の命を救う…それくらいはできるかもしれない。

手を伸ばさずに人が死んでいくのをただ見ているのは、後で死ぬほど後悔する。

だから今一瞬一瞬を大切に生きて、全力で助ける。

それに…楽して助かる命がないのは、何処も一緒だしな!

変身!!

65　内容はその時々のミームをお入れください

ここ最近の流行ってよぉ…

流行りのものに乗っかろうとする風潮はわかる…スゲーよくわかる。

テレビでもインフルエンサーでも流行には敏感だからな…

ミーハーが発生するのはよくわかるぜ、

「にわか」でも少しでもそのコンテンツに興味を持つことは良い事だからなぁ。

だが「君は完璧で究極のゲッターのミーハー」ってのはどういう事だああ～～～っ！？

ナメやがってこの文体ィ、超イラつくぜェ～～～ッ！！

そもそもあのクソみてェな公式認知のミームにミーハーもクソもねぇだろうが!

どういう事だ！どういう事だよッ！クソッ！

あんなもん一回聞いたらプロだろうがよぉ～～～??!!

66　王道を超えた覇道

ボクは特別じゃない。どこにでもある平凡な家に生まれた、何処にでもいる普通の女の子だった。

そんなボクでも彼に出会ったからこそ、この誰も歩まない、唯一の『覇道』の道を切り開いてくれた。

冠を戴き、完全無欠となったボクを、導いてくれたまえ。

はーっはっはっは!!ボクの完全なる『世紀末覇王』の王道を、共に征こうじゃないか!

67　心の俳句

心落ち

涙に暮れるこの躰(からだ)

何にももたれず

ゆらり寂(さび)れる

さらばえて

心堕とすも雨ならば

童(わらべ)の如き

邪気泣く心

君が為

尽くしに切れたこの身肌

空(そら)に撃たれて

只(ただ)独り逝く

68　日和の紅き舞

何でしてぇ主さん(ぬしさん)、そんなずぶ濡れで郭(くるわ)まで駆け込んで来て。ささ着替えておくんなんし。

…あぁ、あの雨雲ですけ?確かに大振りでありんすねぇ。

……あのさしは呼んでござりんせんなぁ

楼主様(ろうしゅさま)、あちき、ちと席を外させてくなんし。

あの野暮(やぼ)を出払ってくるでありんす。

…あちきは日和見神(ひよりみがみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)様の冠飾(かんしょく)の現世(うつつよ)堕ち。

あの雨(あま)さしにゃ、現世から退いて頂きんしょう。

69　暗い世界症候群

変だよって、おかしいって思われるかもしれないけど、聞いて。

…私、寝るのが、怖いの。夜、真っ暗な中で一人目を閉じて…もうそのまま目が開かないんじゃないかって、怖くて…

でも、起きても怖いの。眠りから覚めて、無意識の中だった8時間、意識がないまま終わりに近付いてると思うとすごく怖いの。

…変だよね、すごく変。今だって全てが怖い。君に理解されないかもしれない、誰も解ってくれない、全部全部、怖いの!

今もこうして得体のしれない何かを取り込んで、『私』がなくなっていく!!

怖いよ…お願い……助けてよ…

怖いよおぉ!!

イヤだ…嫌なの…

70　「細かく説明すると俺もよくわからない」

なんだぁ、お前まで論文にケチ付けに来たのか?

だからこの「一人称パラドックスによる自我の発見」はオカルトでも何でもないって、

はぁ卒論の題名覚えてるのは広い大学でも俺だけだろうな。

…そこまで言うなら教授たちにもやった実験をお前にもする。

まずはそうだなお前と…画面越しの彼。

今お互いがお互いを二人称視点で脳で認識している。「相手」だからな。

だが自分の方はどうだ?二人はお互いを『自分』として認識してる。

その自分の根拠は何処に来る?一人ひとりが『自分』を持っている中での自己認識は曖昧なものだ。

71　呪い＝愛

君はいつも、私を『自由に』生かしてくれた。

遊びたいと言えば付き合い、出かけたいと言えば二人で旅行し、追試がキツイと言えば自分の時間を割いて付きっ切りで勉強を教えてくれた。

君が、好きだった!きっと多分ずっと。

小さないさかいはあっても、嫌いと言った事も思ったこともないし…多分好きだったんだ。

そして気付いた。

君は与えてはいなかった。

君は私を、『自由』に閉じ込めて離さず、守ってくれていた!そしてそれに気づかせた。

気付いた瞬間、私は自由は不自由だと気づいた。

君が守ってくれる自由、君を縛ってしまう自由。

…なんて、呪いの様で、愛おしい、『自由』なんだろう。

72　負け犬の賛辞

変わんないと言えば、変わんないけどさ…ほったらかしで良いの?彼氏さんは。

その上付き合ってもない幼馴染の俺とご飯って…

適当なんだから。…そういう所も、好きだったんだけどなぁ…

ん、パン落としたよ、はい。

ずっとさ、お前は幼馴染としか見てなかっただろうけど、俺はずっと…それこそ小学校のころから、ずっと好きだったのにさ。

ほんとはさ、お前に見合う彼氏か見極めてやろうとか息巻いてたのに。

あーんな、気配りもできて優しい彼氏だったら、非の打ちどころがないじゃんか!

鈍感なお前も、彼氏さんには世話焼かすなよな、これは『腐れ縁』の忠告。

ほんと、…お幸せに、ね。

73　火産霊の大立ち回り

てぇへんだてぇへんだ、隣町の兵(ひょう)さん家から火が出てぇ！

家から家財道具だけ持って逃げろい!おぃ俵屋の婆ちゃん、こっちだ!

…あらかたしっ散らかったな。

こっからは火消しでも奴さんでもねぇ、あっしの出番でさぁ!

さあ張った!手前構えるは生まれは火之迦具土神（ひのかぐつちのかみ)様の御鱗(おうろこ)、育ちは華のお江戸!人呼んで付喪(つくも)の火産霊（ほむすび）様でさぁ!

地獄の業火を焼きに消すあっしの大立ち回り、とくと見やがれぃってんだ!

74　人形のメモリー

綿の詰め物何て、悲しいこと言うね。

確かに男の子からしたら、大人からしたら、ぬいぐるみなんて只の置物なのかもしれない。

でもそんな只の置物に愛着が沸く。丁寧にお世話して、話しかけて、綺麗にして。

何物にも代えられない位、自分と同じくらい丁寧に扱って。

何時か忘れても、思い出せなくなっても。

その子と過ごした時間は紛れもない事実になる。

何より、可愛いって心を癒すから。切っても離せないのだよ。

75　天才型のバカ

行き詰っちゃったなぁ…こうなったら運ゲーだし、

…原神でもするか……、ん?

ちょっとぉ、鍵渡してるとはいえ、連絡位してから来…って、所長?!

いやあの…これは、その、…そうです!魔法元素に関するファンタジー的なアプローチを…的な?

あ、頼まれてたレポート。完成してますよ、確かエット…この辺に…

参ったな、貰って三日位で片付けたからどこに行ったかわかんな…うわぁぁ!!

あのぅ、所長…わざわざ来てもらって申し訳ないんですけど…探すの、手伝ってください!

76　僕は悪く無いから。

お願い止めて!ナイフなんて、ホントに危ないよ!やめて!!…いい加減に、してよ!!

…え?あ、う、ウソ…ねぇ、冗談でしょ?ドッキリなんでしょ?ねぇ、立ち上がっていつもみたいにぼくに殴りかかって来なよ、ねぇ!!

…に、逃げなきゃ。

…僕のせいじゃない。僕のせいじゃない、僕のせいなんかじゃない!

アイツが悪いんだ!!僕をいじめて、勝手に刺されて!ボクは関係ないんだ…僕は…僕はぁ…違うんだ……違うんだよぉ……

77　私で作り変えるから

はい、今日の朝ご飯。君の好きな和食、朝ご飯で作るの大変だったんだよ?

はい、口開けて?♡…え？飲み物から欲しい?わかった、コーヒーね。

はい、…喉ぼとけおっきいよね、君。胸板も厚くて…健康的な男の人の体してる…♡

この躰の中に私の作った料理が流れ込んで、血になって、栄養になって、体の一部になる。

拘束した四肢も私が爪を切って整えて、私の大好きな『私好みの』あなたにしてあげる。

それまでいくらかかっても…構わない♡

78　その日僕の扉が開いた

(男声)お邪魔ー、お前、相っ変わらず部屋汚いなぁ。

ナニコレ、…お前さぁ、俺相手とは言えど知り合いに性癖バレるのはマズない?

うんうん…男の娘、ねぇ…お前こういうのが好きなの?

(女声のチューニング、以降女声)あー、んっ。ほらほら～、お前の好きな男の娘だぞー♡

お前の欲求のはけ口になってやらんでもないぞー？

…本気だよ、俺…いや私。お前はキモイって思うかもだけど、私は君のこと好き。

えいっ!…それこそ、押し倒して言う事聞かせるくらいには、ね？

79　草加の薬宿

いらっしゃい…ってまたお主か、そんなじゃ幾つ体があっても命が足りぬぞ?

今日は…おぅ、かなりぐじゅぐじゅじゃのう…逆に何でこれを薬で治せると思ったのか小一時間問い詰めたいくらいじゃ。

ほれ、仰向けになって…今度は何処から落ちたんじゃ?

なに、お江戸城の修繕中?!…本当にお前、なんで薬で治ると思っとるんじゃ、ホントに!!

ワシもこの家業長いが、こうも足しげく通ってくる『金づる』は初めてじゃよ、全く…

見えない?阿呆、何度もいうておろうが。

ワシは櫛名田姫(クシナダヒメ)様の涙から生まれた草加神(そうかがみ)!

姿形は生まれた時から変わらんのじゃ…よ!!

わかったら早(はよ)う仕事に戻れ!代金はその後まで待ってやるからのう!

80　成功の秘訣？同期のお守りですかね

諸君!我々は士官学校を経て血のにじむような過酷な訓練を繰り返し行ってきた。

辛かっただろう、苦しかっただろう、辞めたいと思ったことが何度もあっただろう!

だがしかし!君達は乗り越えた。御国の為に戦う礎として選ばれた『戦士』なのだ!

…だ、か、ら、こ、そ!!そこに括り付けられている『馬鹿ども』のような醜態は、『決して!!!』晒さぬように!!

…以上、急遽五大隊合同での演習となったが、あそこの磔の馬鹿の代理で私が指揮権を握らせてもらう!行くぞ！

…そして馬鹿共、昨夜密会を開きしこたま飲みまくった馬鹿共。我々が演習を終えて帰ってくるまでは、磔のままにさせて貰うぞ!なぁに普段の私恨はあれど、遠からず及ばない罪の重さであろう!

…私の貴様らへの気苦労を、肌で感じろ。

81　ハードルは低い方がいい

っふぅ、今日も頑張って生きた!…ん？俺今変なこと言った?

いやだって生きるのって大変じゃない?俺だけ?

俺は生きるのが苦痛。毎日が鬱屈としていて、暗くて、閉鎖的で、ちっともワクワクしない。面倒くさい事も多いしさ。

だから決めたんだ。最低限、『生きる』ってことを頑張るようにするって!

お前もそう考えた方が、色々考えながら生きるより楽かもよ？

82　お姉さんは稲荷様

…貴方、また来たの?呆れるわ、こんな何もない山奥の神社に毎日来るなんて…

どうせ稲荷様でしょ?待ってなさい、掃き掃除が終わったら呼んであげるから。

…はい、替わってあげるから。『アビラウンケンソワカ』。

…ホントに、本当に童(わっぱ)、毎日妾(わらわ)の元に会いに来るとはのう!童が持ってくる俗世の遊びは面白くて好きじゃ!今日は何して遊ぶのじゃ?…虫取り?

そんなもの妾の世にもある!!もっと面白い遊びを教えるのじゃー！

83　理性は本能に勝てないのだから

やめて、って…普段理知的だから常に理性的に動けると思ってたら大間違いよ?

私達は常に獣の本能を宿してる。それを解き放つか、封じ込めるか…私は後者。

ため込んだ欲望は爆発の際限を知らない。

三大欲求にのみ支配された『獣』の本性を、存分に楽しみましょう?

ね？…you and me fight like animals , right?♡

84　二手三手上を行くんだ、こう言うのは

よう、御両人、取引の進み具合は順調かい?

あぁ言わなくっても解る、次のセリフは『な、なぜここがわかった?!』だ。…当たっただろ?

仕事も大詰めだしそれくらいは喋ってやろう。お前らの葉巻の匂いだ。

俺は特別鼻がいい。そんな俺の前で強烈な香りのする独自配合の葉巻を吸われちゃあ、たまったもんじゃねぇぜ。正直言って臭いぞ、それ。

…最後の抵抗か?そんな飾りみたいな銃チラつかせても何も変わらねぇぜ。

それにヒットマンとして一つ忠告してやる。

引き金を引くのは、銃に死ぬ覚悟のあるやつだけが許される行為なんだぜ?

85　無自覚最強系主人公

え、ボクが最強?またまた、ご冗談を。

ボクは他の人と変わらない、『普通の』人ですよ。

だから走るのも車に追いつくくらいしかできないし、砲丸投げで地球周りを周回するくらいしか投げれないし…え?それがおかしい?

そんなはずないですよ。だって僕のお父さんは光と並走できるし、お母さんは第三宇宙速度で鉄球を投げ飛ばせて、それで「ちょっと強い」くらいらしいですし。

…そんなにボクが強いって認めたいなら、僕と勝負、してください!

86　すまなかった、走り幅跳びを知らないのかと…

尻…もち…

あの、すまない。君はもしかしたら知らないのかもしれないが…あれは走り幅跳びと言って走って飛んだ距離を競うものなんだ。その…君が言った様に、尻もちをつきに行くような競技じゃないんだ…しらなかったら、すまない…

え、しってる？じゃあなんで初めて見たみたいな言い方を…

うわぁ大丈夫か?!顔が真っ赤だぞ!熱でもあるのか?!

87　次の年の男性陣、顔つきが違う

どうもこんにちは～○○です!

えっと、自己紹介…好きなものはパンダとストロベリー、体重はひみつ♡

部活は帰宅部にする予定だけど、助っ人は大募集でーす!

…あ、あと……俺、『男』だから。

そこんところ、よろしくお願いしまーす!

え、ウソ?…ウソかもね♡

だって今日は俺の誕生日、四月一日なんだからね!

88　吹奏楽あるある

ヤバい、どうしよう…ピストンの二番管が抜けない…

ちょ誰か、一応男子呼んできて。頑張ってみるから。

んぐぐぐ…え何?!顔がヤバい?!うるっさい今そんなのどうでもいいの!

ここの管は水が溜まりやすくて適度に抜かなきゃいけないのに…なんでこんなに抜けにくいのよぉ!!

えウソ、もう合奏始まる?!…あーもう先行ってて、十分…いや五分で終わらせる!

こんのぉ、ぬけなさいよぉ!!!

89　懐かしきかの山

こほっ、こほっ…最近席の回数が増えて来たなぁ、反比例するように喀血は減ったけど、ははは。

…もうこの景色も二年かぁ。あの山の四季も一通り見ちゃったしなぁ…

っていけない、何センチメンタルになってるんだろう。

…やっぱり治らないのかな、先生も転移がひどいって家族には言ってたみたいだし。

最後に足動かしたの、いつだったっけ、忘れちゃったなぁ…

叶うならばもう一回、もう一回だけでいいから、あの山の中を…駆け回ってみたかったなぁ。

90　路進坊の治水旅

あの、失礼。本日は風がお強いですが、この騒ぎは何事でしょうか。

拙者?拙者は見ての通り、さすらいの虚無僧にございまする。

ふむふむ…成程。つまり堤防に囲まれたこの町は今にも流されそう、という事ですかな?

それならば一つ、助太刀ができるかもしれませぬ。

拙者只の虚無僧にあらず、という奴でして…

…そんな悠長なことも言ってられなくなりましたな。

拙者の名が閇知泥神之移し世(へちねのかみのうつしよ)、人呼んで虚無僧の路進(ろしん)でありまする。

拙者の名において、川の流れをひたと、止めに見せてご覧にいただきましょう。

91　べ、別にマネージャーを気にしてるわけじゃないし…

マネージャー…ついに文春砲に射貫かれたんだってね!

いやー、遂にか…ついにマネージャーを止めてくれるのかな～?

本人の目の前で本人のゴシップ記事を読む!コーヒーが止まりませんなぁ!

…なにこれ。「冷徹マネージャー、アイドルの仕事を手に取って脅し」…?

「仕事に従わないならもう案件は持ってこないと」って、何真逆の事書かれてんの?!

なんかむかつく、わたし担当編集に文句言ってくる!

92　仮定法「N回目の独白」

君も…そうか、『君も』かぁ…ふふふ、あっはっはっは!!イヤ失礼、君の告白を笑ったわけではない。

…限界効用逓減(ていげん)の法則を知っているかい？一度目の感動は二度目は薄れる…君が一度目に緊張したであろう告白も二度と越えることはできない。

それはどんなことにも言える。…私の目がミステリアスで深淵を覗くようだと言ったが、これもまたこの法則に則ったものだ。

…何を経験してこの目になったか、分かるまでは君の告白を受け取るわけにはいかない。

93　貴方いっつも気が付かないんですから

お久しぶりです、先生。最近は研究室にも顔を出さないから心配してたんですよ?

あ、すみません。紅茶を一杯。

私?私はいま『過程』と『感情』の研究をしています。

そうですね…例えば、『愛してるがあまり相手を刺す』と『恨んでいる相手を刺す』、

結果的な事象は同じですが踏んでいる過程が違います。

小石を投げても転がしても同じ地点に着くように…過程、が大事な実験です。

勿論死人には通用しませんがね!

だから早く、その背中の趣味の悪い飾りを取ってください。

94　瓊郎爺さんの語演目

『きさらぎ過ぎれど暴走列車、もはやこの世に未練なし』…

あぁいらっしゃい、席はがらんとしてるんで好きな所に。

長い事やってると、雰囲気だけで人が入ってくるのがわかるんでさぁ。そろそろ、幕開けでございます。

…私(わたくし)月読命(つくよみ)様の八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、瓊郎(にのろう)にございまする。

そうですね…まずは一つ、手前味噌ですが。

神の血を引く落語家が悪党を成敗する、なんて…ありきたりな与太話でもしますかなぁ。

95　君に地縛霊

やっほー、お帰り。ご飯できてるよ!

今日は君の好きな鯖のしぐれ煮!張り切って作っちゃったせいで、何日分かあるけど…

もう、五年だね。君が私を冥界から卸(おろ)して。君はもう大学生になっちゃったけど、私は中学生のまんまだよ。これじゃ昔約束した『結婚する』も、叶いそうにないねぇ。

別に、私に縛られなくてもいいんだよ。大学で思いっきり青春して、私のことなんて忘れても…え、それでも帰ってくる…?

へへ、うれしいなぁ…!

96　鬼の厳しさ、その中の優しさ

この程度で音を上げるか…訓練兵として最底辺の特訓に耐えられないのなら…

お前に価値はないな。即刻荷物をまとめて帰れ。

薄情…か。そのような言葉もう聞き飽きた。

無駄な戦死者を出さぬように訓練しているのだ。戦闘に向いていない奴を無下にするために締め出してなどいない。

…灯が付いたか。そういう奴が一番無粋で鍛えがいがあるのだ!

97　低音で頭を溶かされた末路

世界で一番気持ちいい音楽って何だろう?

だってほら、私達が普段やってる吹奏楽とかクラシックは『美しい』音楽じゃん?

ポップスは『耳触りがいい』音楽だし…ヒップホップは『韻が気持ちいい』音楽。

『気持ちいい』単体の音楽って…やっぱハードコア?!世界最高に気持ちよくて、頭の悪い、一番イカレてる音楽が一番楽しいのかな?!

98　経験則絶対正義

クリエイターにとって最も大切なもの…それは媒体を取ってしても相手に伝わる『リアリティ』だ。味が、音が、感触が!!情景が!!!全てが自身の経験…リアリティに精通している。

そしてこの僕にッ!最大の禁忌を突きつけやがった…

『死』のリアリティだって…?!狂ってやがるッッ、

最っ高に狂っているっ!だから君を気に入ったっ！

99　君の望むものにはなれないから

僕に期待しないでくれ、僕を見ないでくれ！僕は君が思ってるようなニンゲンじゃ無い！もっと醜くて小さくて、誰も救えないニンゲンなんだ！

君は強い、君は一人でも進んでいく力があるんだ、僕とは違うんだ！

君が涙を流すほど辛いなら僕の歌を聞いてくれ、でも僕は君の力を生み出すわけじゃ無いんだ！それは君の中の物なんだから。僕は君の神様には…なれないんだから。

そんな無力で君を救おうとしてる…おかしくて仕方ない人間なんだから。

100　そういう性ですから

いやー正直、愛してるって俺の言葉は軽いじゃん？だからお金で示そうと思ってさ。

え？だって俺の愛なんて薄っぺらいだろ？だから誠意で示す。

俺はこれしか人に意思を伝える手段がないんだ、変だと思っても許してくれ。