46
体育の授業のマラソンで校舎の周りを走っているとき、突然めまいを覚えた。僕は急激にスピードを落とし、何とか右足で踏ん張る。後ろを走っていた数人が難無く僕を追い抜いて行った。
ちょうど校舎裏で教師も見ていない。僕は教師に見える位置までダラダラと歩くことにした。
先程のめまいはおそらく貧血だろう。毎日カップラーメンや冷凍食品ばかり食べているせいだ。ここ数日は店長がいない日や店長のやる気が起きない日が重なり、昼食もコンビニ弁当だった。学校に持って行く弁当もコンビニで買ったパンである僕には、店長の作る昼食が唯一まともな栄養源なのだ。
体育館の角に到達したので僕は徒歩を小走りに変えた。スタート地点に立っている体育教師に紙を差し出し、周回した証拠にサインをもらう。
明日の土曜日こそは店長に昼食を作ってもらおう。でないと栄養不足で倒れてしまう。僕は左右の足を順番に前に出しながら、そんなふうなことを考えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます