第40話Bグループ



俺の目の前には、2グループがクルクルとした瞳で見詰めていたよ。

その周りには、牧場育ちの魔物が見守っていた。


Aグループは、接近戦タイプでただ1人のゴブリンの子が弓を扱う。

リーダーは、ケット・シーのホワイトでメスなのにバリバリの戦闘タイプ。

盾のオークのパン、槍使いのリザードマンのシンロ、ゴブリンのナーヤ、探索のウルフのウー。


Bグループは、万能タイプでリーダーはケット・シーのミケ。

体の模様が三毛猫なので、あんちょくな名のミケにした。

このミケはオスで、思考回路が抜群で何でもこなすタイプだ。

日本の三毛猫は、基本はメスばかりだ。

しかし、例外もあって珍しくオスもいて出生率は3万分の1であるらしい。


そんなミケが代表して話だす。


「親分、俺ら新参者のケット・シーは、1番仲が良いのが牧場で育った子供たちなんだ。その子供たちの話を聞くと狩りがしたいって・・・だけど心配だと思うので俺らケット・シーがリーダーになった狩りがしたいんだよね。なので試しに2グループを選抜して親分の監視下で狩りをしてOKなら狩りを続けたいんだよ」


なんと魔物の子供たちは、そんな考えだったのか・・・

これも本能なのだろう。


「分かったぜ。Aグループはナナとキキが監視しよう。危ない時は手出しするが承知して欲しい。Bグループは、俺が面倒をみるから・・・」


「話の分かる親分で助かったよ・・・みんなもお礼だ」


「ありがとう」の言葉がこだましてたよ。





ケルベロスのロスが鼻をクンクンして「2キロ先にキラーラビット5匹が居るね」


ベロ「もっと詳しく言うのよ・・・今は、地面に生えてる草を食事中だ」


ケル「それで、作戦でもあるのか・・・」


ケルベロスだから3つの頭が勝手にあれこれ言ってる。



ミケ「5匹か・・・こっちも5人だからガチ対決するか」


ケンタウロスのケンタが「実力を知るには、うってつけな獲物だな」そう言いながら弓を準備してる。


ゴブリンのリンは「祝福あれ!」と能力アップの支援魔法を発動。

5人の体がキラキラと光りだす。


同じゴブリンのゴーが「こりゃー良いや、力がわいてきたぞ」

手には、木人の小枝を握っている。


そして動き出した。




ゴー「一番近いキラーラビットは、俺の獲物だからな」


そう言って小枝を振った。

小さな火球が発生して放つ・・・その火球に気付いたキラーラビットは飛跳ねる。

しかし、それに合わせて火球も追尾して命中。


「キューー」と鳴き声が響く。



ケンタも負けじと矢を放っている。

離れていたキラーラビットは、立上がって警戒中に胸に命中。

その場で倒れる。



リンも魔法を発動。

逃げ出したキラーラビットの足元の草が足に絡まる。

そして、体中に巻き付いて絞め殺している。



逃げていたキラーラビットに追いついたロスは、首に噛み付き仕留める。



最後の1匹は、もう遠くに逃げている。

しかし、いつの間にミケが先回りしていて、サーベルで一突きしいた。


「俺っちから逃げれるハズがないよ」


中々な戦い方だ感心してた。




ロス「あ!これはブラックウルフの臭いだ・・・数は30体も居るぞ。それも真っ直ぐにこっちに向かってるな」


ミケ「リンは、草による足止めを任せる。みなは各個撃破だ」



リンの足止めは成功。

10体のブラックウルフが動けない状態だ。


そんなブラックウルフを追い越して向かってきた敵を、無数の火球が襲う。

それに合わせて矢も次々に命中。


ミケが通った後には、ブラックウルフの死体がいくつも倒れていた。


ロスより大きいブラックウルフを3つの口がガブガブガブと噛み付く。

大量の流血をして倒れるブラックウルフ。

その死体を踏み台にして、空に舞うケルベロスの口から炎が足止めされたブラックウルフを襲った。

一瞬で燃え盛る10体のブラックウルフ。


燃える体を転げまわって消そうとするが間に合わない。

力尽きて次々に倒れる。


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