第39話魔鉄
「スーパトピックニュースです。特番の【ゲート向こう】の最新ニュースでは、安藤さんの中継先がつながったようです。安藤さん、聞こえますか?」
「聞こえます・・・開放された日本人の方々の記者会見が始まります」
「我々は、ギルドの方々に助けられて感謝しております。捕まった先で事故による死傷者は14名です。鉱山採掘の落盤事故での死亡と聞いていますが、かれこれ1ヶ月前のことで現場に居た者は死亡してるので詳しくは分かっていません。私たちに聞く権利もなかったのです。なので誰が死んだのかも分かりません。番号の1321~1334番しか聞かされてません。労働条件は過酷で生活水準は最低ラインと言っていいでしょう。そんな中で我々は錬金術を習得できたのです。この能力を生かすために錬金術ギルドを発足することに決めました。本来あったギルドは討伐ギルドと改名して、我が錬金術ギルドを協力体制で行なって行くつもりです」
「それでは質問がある方は・・・」
「太陽新聞の荒川です。労働条件は過酷とおっしゃていましたが具体的に教えて貰えませんか・・・奴隷っとなって連れて行かれた方々の状況が知りたいのです」
「分かりました。生産職は、食事が朝の1回のみで労働時間は12時間です。仕事が終わったらクタクタで寝るだけです。鉱山労働者は、食事が2回で労働時間は11時間です」
「スーパトピックニュースの安藤です。ゲート向こうに風呂はありましたか・・・」
「風呂もシャワーもありません。布切れを濡らして体を拭くだけです・・・今は綺麗になってますが、頭の中にはノミがいて互いにとっていましたよ。臭いもひどかったと思います。私は慣れましたが・・・」
「もう1つ質問です。錬金術では、どのような物を作ってましたか・・・どのような効果がありますか・・・」
「我らは、近代知識と錬金術で鉄に魔を付与することに成功。この魔鉄は結界を突き破ったり切ることも可能です。この魔鉄を使って銃弾や砲弾・・・それ以外にミサイルにも使用が可能と考えています。このことから結界による近代兵器の無効が解除されて有効な攻撃手段になるのです。自衛隊による帝国進攻も可能です」
その魔鉄で出来たナイフが掲げられた。
会場が一斉に騒ぎ出す。
フラッシュがあっちこっちで光る。
「これは特ダネだ!」
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ホワイトハウスでも、そのビックニュースを逸早く知れることになった。
「大統領!どうでしたか・・・」
「とりあえず10キロを寄越すらしいな・・・向こうも知らなかったらしいぞ。のん気なものだな・・・」
「10キロですか・・・少ないですね」
「おいおいと圧力を掛ければ、なんとかなるだろう・・・それに我が海兵隊員の結界士に試せばハッキリするだろう」
「それもそうですね。それにしても魔力量が半端ない量です・・・あの数値を信じて良いのでしょうか」
「嘘ならばれるて恥をかくのは日本側だ。気にすることもないだろう」
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討伐ギルド本部前の空きビルが買い取られていた。
買い取ったのは、討伐ギルドを代表する田宮。
錬金術ギルドには金がない。
弁護士の青木が「これが契約書になります。錬金術ギルドは討伐ギルドの傘下になりますが、錬金術ギルドと協力体制は変わりません。契約書内容をよく読んでサインをお願いします」
錬金術ギルドの代表の山田と大川は、30分もかけて読んだ。
2人の連名がサインされると契約書が返される。
田宮も同じようにサインをする。
「こちらの契約書は御持ちください」
1部が錬金術ギルドに返される。
討伐ギルドの田宮と山田、大川が握手する写真が撮られた。
「今後ともよろしく」
「こちらこそよろしく・・・政府関係もお願いできるなんてありがたいです」
「早速ですが魔鉄を10キロを製作できますかアメリカが日本政府に圧力をかけてきまして、10キロ1億円でお願いします」
「え!そんなに・・・」
「これは緊急的な値段だと思います。そちらの希望価格は・・・」
「1キロ1万円なら採算が取れます」
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