第21話ギルド発足




テレビやネット配信で、日本の覚醒者によるギルド発足の記者会見がなされた。

事前に田宮が代表はであると発表されている。


「今日をもって日本ギルドの発足を宣言します。ギルドの目的は、ゲート向こうに奴隷として連れて行かれた日本人の開放です。しかし、今だな魔物の脅威は衰えることはありません。それに対抗出来るのは覚醒者だけです。その覚醒者を支援して政府との交渉を行なうのがギルドの役目だと思ってます」


「それは、日本政府に任せられないからですか?」


「覚醒者も人間です。1人1人で政府と交渉して強く交渉出来るでしょうか、会社に労働組合があるように魔物と日夜戦う覚醒者にギルドは必要なのです。なので日本人開放に向けて、日本の皆さんは、私たちを支援して下さい。お願いします」


「覚醒者は、全員がギルドに入ったのでしょうか、ギルド加入は強制でしょうか、それを聞かせて下さい」


「基本的には強制ではありません。ギルドではサポートの説明と規約説明をして、本人の考えを尊重しております。今は、100%の加入です。私どもの活動に賛同したものだと感じております」


記者の挙手が又も多く上がった。

うながされた記者が「覚醒者が賛同しるサポートとは具体的に話してもらえないでしょうか?」


田宮は、腰の刀を抜いた。


会場がざわめく。


刀身を見た人は、一瞬で魅入られるほどに「オウーー!」と共感。


田宮は、テーブルをゆっくりと切断してみせる。

テーブルは支えられずに「ガタン」と床に落ちた。


「そんな力加減でテーブルが切れるなんて・・・」


「その刀の素材は、魔物の素材ですか・・・」


「ある人に作ってもらいました。今後もギルドを通して覚醒者に販売してゆきます。これで魔物の討伐が進むと考えております」


報道陣に幾つかの資料が手渡される。

ギルド規約であった。


「今のがギルド規約です。この規約にのっとってギルド運営を行ないます」



- - - - - - -



政府要人が集められ会議場。

新たな科学技術庁も発足して、科学者も集まっている。


「ギルドは、武器提供者の名を明かさないって、政府をバカにしてるのか・・・」


「総理、ギルドを認めるのですか、わたしは反対です」


「バカモン!そんな悠長な構えてられるか!今は魔石が必要なんだ。魔石があれば、経済トップに戻れるの早いぞ」


「魔石を電力発電として使用するには、安全性が不十分です。もしも時はどうするのですか」


「それどころでない。原油が買えずに原子力に頼ってる。野党も今では反対出来ない現状をよく知っているぞ。魔石発電を使って電気料金をバカ安にして経済を取り戻すのだ」


「あのーー総理」


「なんだ君は・・・青山研究員か、何が言いたい」


「ワイバーンの肉を食べた結果。人体の能力が爆上がりしたと報告があがっております。ご覧下さい。食後前と食後で200メートルを走った動画です」


1人の男が位置についた。

「バン」と鳴って走りだす。記録は24秒56。


食後2時間経過。

位置について「バン」で走りだす。記録は18秒49。


「世界記録の更新ですよ。2時間で劇的な変化が体内で起きたのです。身体の精密検査の結果、神経の伝達速度が異常に速くなっており、それに筋肉量は変わってないのに握力が上がっています。何もかも上がってるのですよ」


「オリンピックが開催されたら金メダルを総なめだな。いや銀、銅も日本が独占するのか・・・」


なんか、総理の妄想に・・・その場の全員がしらけている。

気を取り直した研究員が話しだす。


「それだけではありません。ドラゴンの鱗は薄いのに放射能を100%と遮断します」


「私からも、魔物の素材は科学文明をくつがえす程の魅力ある素材です。これを使えば世界を牛耳ることも可能かと・・・」


「君、それは本当かね。その研究を任せるからドンドンやってくれ」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る