散ること
桜を愛でる
花を咲かせ
風に散る
雨に散る
手折られて散る
地面に落ちる
風に舞う
誰かに踏み絵にされる
汚れた穢れた押し花
淡い花弁に泥にまみれた桃色の押し花
しおれてしぼみ
自然のさらに奥
奥深く
1つになる
そうして 来年
また色をつけ その花弁を開く
幾度かの穏やかな風に
桜は繰り返す
薄紅の身を散らし
季節をめぐるめぐる
何度も何度も 咲いては散る 咲いては散る
を繰り返す
あと何年
わたしは氷河の中に身を横たえるのだろう
あと幾年
わたしは堪えると咲くのだろう
あと行く筋
わたしは涙を流したなら
あの人にみてもらえるのだろう
散ることは悲しみではない
散ることを知らない方が
散るための花を咲かせられない方が
よっぽど悲しいのだから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます