私があなたの世界を守る

ナオ船

第1話

「ジジジジジジ!!!」

 目覚まし時計のけたたましい音が部屋中に響き渡った。直ぐに起き上がって目覚まし時計を止めると、ベットから起き上がってカーテンを開けた。


 窓からはまぶしい光が部屋に注ぎ込んだ。伸びをしながら寝ていて硬直した身体をほぐす。本日も良い天気になりそうだ。


 彼女の名前は藤田美々フジタミミ。今年の春から高校に入学した15歳だ。好きな教科は国語、苦手な教科は生物。最近の推は・・・・・・


「美々!!起きなさい!!今日は早く出るんでしょ?」


 2階からのお母さんの声だ。うちは1階が個室で、2階がリビングとなっている。


「そうだ!今日は早く学校に行かないといけない日だった」


 急いで着替えを済ませて、「遅刻、遅刻」と言いながら階段を上ってリビングへ向かう。


「もう、起きてるなら早く声をかけてよ」


「知らないわよ。もう高校生なんだから自分のことはじぶんでやりなさい」


 既に自分の身支度と朝食の支度を整え、優雅にコーヒーを飲んでいた母がスマホを見ながらこちらを見ていた。


「父さんは?」


「今日は朝一の会議があるからと言って、もう出かけたわよ」


「え!!一緒に駅前まで乗っけて行ってもらおうと思ったのに」


 急いで牛乳を飲み干して、机の上に置いてあるパンの袋からロールパンを取り出してかぶりつく。


「ふってきまーす(行ってきまーす)」


「何それ。パンを頬張りながら出かけるなんて漫画か!?普通、こういう時は食パンでしょ」


「しょうがないでしょ。ロールパンしかないんだから。とりあえず行ってきます!」


 急いで階段を駆け下りて、靴を履いて外へ飛び出した。駅まで走らないと間に合いそうもない。


 駅まで走るとうっすらと汗をかいてしまった。汗だくて臭ってしまうと女子高生破滅なので慌ててトイレに駆け込んで制汗剤を振りかけた。これで大丈夫のはず。


「美々、こっちこっち」


 トイレから出ると、改札の方から声をかけてきたのは石川小恋イシカワココだ。小学校から高校まで一緒の幼馴染。


「遅刻すると思ったのに、間に合ったね」


「私だってやるときはやるのだよ小恋くん」


「息を切らしながら走ってきたくせによく言うよ」


「あれ!バレてた?」


「どんだけ付き合い長いと思っているの?美々のことなんてお見通しよ」


 小恋とは、いつもこんなくだらないやりとりをしている。でも、このくだらなさがたまらない。


 今日は、美々と小恋で朝活をする予定をしている。実はふたりで動画配信しようと考えているのだ。こんな可愛い女子高生ふたりが配信する動画のチャンネルがあったらバズリ確定でしょ。

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