第4話
「マジか。人か…すごいねそりゃ」
「でしょ。普通“T”だよね。
この時代にわざわざ人間を対象にするって、すごい丁寧っていうか、そういう人応援したくなる。」
“T”とは、人間や動物と区別するための分類名で、数十年前から爆発的に広まった人工知能の発展型のようなものである。
見た目は人だが、内部構造は生物である部分と機械部分が同居している。
性別はなく、恋愛中の脳に起こるポジティブな変化だけを提供してくれ、今時一家に一台が当たり前。
人の生み出し方までも人工的なものに頼り始めた人類で、恋や愛や結婚はより一層娯楽の形相を呈していた。
そんな中でもリホは、同じ人間の男の子と正式に付き合っていると言うのだ。
「でもさ、一昔前は人同士の恋愛が当たり前だったらしいよ。
あ、待って。えーっと…」
さやかはタブレットから歴史の教科書アプリを開くと、これこれと指差した。
「…うわマジだ。書いてるよ。」
「でも…そりゃそうか。
元のAIは人が作ったんだし、できる前はそうするしかないよね。」
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