第39話 -お嬢ちゃん-

またまたシュン視点

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「えっと……どうしたんだい?お嬢ちゃん。」

「えっ!?……えっと……あの……」

なんで少女がこんなところにいるんだ!?!?



ちょっと時間は遡る。



「ん〜〜。」

俺は伸びをしていた。

結構動いたしなあ〜〜。

あんだけ走り回れば疲れるよねー。

……まあこのゲームじゃ疲労なんてないんだけどさぁ。


あれから1時間ほど倒して回って、俺は150キルくらいしてた。

hpは全く減っていない。

ノーダメってやつだ。

僕の速さについて来られる人がいっぱいいるわけがないんだよねー。


初めてのフルダイブ型のVRってことで、普段ゲームをやらない人も多いみたい。

しかもまだリリース開始から3週間ほど。

結構初心者が多いってのもあってか、今のところ強い人とはあんまり戦ってない。

初心者狩りって言われそうでちょっと怖い。

けど仕方ないじゃんか!

人がいっぱいいそうなところで戦いやすいところが初まりの街から近いここ、荒廃した城くらいだったんだもん!


と、いない誰かに言い訳をして、気持ちを落ち着かせる。

無双もいいんだけど、強い人とも戦ってみたいんだよなー。


そんなことを考えながら、2人でやってきたカップル(らしきペア)をぶちのめす。

お幸せに爆発しろ!


結局なんやかんやで無双してた俺なんだけど……


ん?この壁の奥に人がいるっぽいけど、なんかめっちゃ低くね?

あーいや、しゃがんでるのかな。

まあいいや。

俺がやるのは変わらない。

このめちゃくちゃ広い城でうろついてる奴らを倒しまくるだけ!


そう意気込んで、天井を走りながら部屋に入る。


ん?

「うぅ……ぅうぅぅ。ヒック。」


なんか泣いてる少女がいる!?!?


えっと、あっと、えーーと、どうしよ。

どうしたらいいのこれ。

どうするのが正解なの!?

とりあえず話しかけてみるか。


「えっと……どうしたんだい?お嬢ちゃん。」

「えっ!?……えと……あの…………」


あービビってらぁ。

音消して天井から急に男が出てきたらビビるよな当たり前だよなぁ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る