第37話 -当たらない攻撃-

「おらぁぁぁああ!」

 全く知らない人が、襲いかかってくる。

 シュンは隣にいない。

 自分から倒しにいくらしい。


 だから、自分1人でこの人を倒さなきゃダメなんだけど……


 その剣は、当たらない。

「なっ!?」

 そんな声が聞こえる。

 初見なら誰でも驚くだろう。

 というか僕もびっくりした。


 僕に振るった剣は、軌道を変えて、地面に向かっていったからだ。

 目の前のおじさんは、驚いて動けなくなっている。

 攻撃を外すとは思ってもなかったようだ。

 とりあえず隙だらけなので刺す。

【クリティカル!846ダメージ!】

 ダメージ高っ!?

 ……相当いい武器だな。

 しかもめっちゃ軽いから扱いやすい。

 というか軽いのにこのダメージは反則では?


「クソッ、こんなガキに負けるなんて……」

 お?

 お?

 やんのか?

 腹が立ったので、ほとんど消え掛かっているその場所に短剣を何度も刺した。

 ちなみに、おじさんはやられて消えているので、ダメージはない。


 なんで僕なんかを狙うんだろう?

 って思ってたけど、子供だったかららしい。

 いや高校生なんだが!?

 ……身長伸ばしたい。

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