第4話
寒かったー…
歯はカタカタしてんのにニコニコして。
あぁ…
エレベーター何処行ってんの?
無駄に三角ボタン押して呼ぶ。無言で。
2階だから階段の方が早い。
いつもだったら待たずに駆け上がる。
だけど、今日はもう無駄な労力は残っちゃおらぬ。
ココアで、風呂で、ベッド。
ココアでふろでベッド
ここあでふろでべっど。
鍵ポケットで確認して、
もう俺は流れる様に家に入る。
流入する。
ここあでふろでべ…
んあ…
「すみません、そこ俺の家っ」
なんですけどって言えぬまま、
見上げた顔を見下げる。
「ノート」
「のーと?」
唇紫。
どなた様。
「よく分からないけど。
そこは俺の家の入口で、
俺はこれからココア飲んで風呂入ってベッドの
ルーティーンに入るから。
ごめん退いてくれないかな。
お前も寒いまんまなの駄目だよ。
動いてる時は、まだ薄着でもなんとかなるけど、
動かない中、薄着はもう死活問題だ。
俺も今日スチール滅茶苦茶寒い中で。
もう0だから。
俺0だから。」
何も残ってねーから。
早く退いて、くれ。
「あん…た…講義出てた…で…しょ。」
あー…あぁ…
「すっぴん別人だ。
撮っていい?」
「最っ…低」
「曝さないけど見せたい奴いるんだよね」
「ますますっ」
猫みたいに手が飛んできて、
凝り固まったポーズからは巧くいってなかった。
よろってなってて、
「俺、今0だって。
優しさも0。
出直してって言いたいとこだけど、
俺もあれ返事だけで出てる。
あーお前言わせて貰えば
あれ心象最悪よー。
寧ろ何も言わんで出た方がまだ。」
手首掴んで引っ張り上げる。
まだ。講義に返事もしないで何しに来たんだよって。
関係ないが。
「友達に頼めよ。
じゃあな。」
「友達いないのよ」
とぽそって言葉だけが着いてきて、
後ろ振り返らざるを得なくなった。
「友達作りに大学来てる訳じゃないもんな」
なんて。じゃあ勉強しろよってなるけど。
あぁ何て言ったらいいんだよ。
「家何処なの?
同じ並び?
上?」
下は女の子だから、きっと避けてるよなって。
候補に挙げなかった。
「う…」
ぇが消えそうで。消えてる。
「上ね。
送ってくよ。」
あー俺マイナスで稼働するー。
だるー。
あやつに自慢だけしようって気持ちしか残ってない。
あー鍵を開けたのに閉め直して。
家賃賃やっすいけど装備がぼろい。
「ちょっと前歩いて」
「一緒に行く意味ある?」
いや…
ねーと思うわ。
「ああぁぁぁっ
帰ってい?
なけなしの優しさよ。
これが今の俺のっ
だけど、俺もお前も困るでしょ!?
激写出たら、どうすんの!?」
「あんた…お前じゃないわ。」
「俺もっあんたじゃねぇーわっ」
変な奴に引っ掛かった。
あいつ中身やべーかもしれんから
避けた方がいいって言ってやんなきゃ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます