絶世な美女に声を掛けられて浮かれていたら僕の追っかけヤンデレストーカーだったんだが…
ALC
主人公サイド
第1話絶世の美女はストーカー
「すみません!ちょっとお話良いですか…」
振り返るとそこには今までの自分の美意識が覆されるほどの絶世の美女が僕に声を掛けてきていた。
「あ…はい」
何かの勧誘と分かってはいても美女に声を掛けられたことに浮かれていると彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます。良かったらお茶でもしながら…」
「はい」
流れに身を任せて近くのカフェに入ると飲み物を注文して彼女の話を待った。
「それでですね。突然なんですが…」
ここから勧誘が始まるのだと一度息を呑むと彼女は緊張した面持ちで口を開いた。
「私と恋人になりませんか!?」
「はい?何の冗談ですか?」
「冗談ではなく真面目な話です!」
「えっと…どうして僕と?」
「それは…」
彼女はそこで一度口を噤むとカバンの中からスマホを取り出す。
そこから少しだけ黙るとスマホを操作しだす。
「ここから右にスワイプしていってください」
言われた通りに彼女のスマホを受け取ると画面をスワイプしていく。
画面には人混みを撮影したものがいくつも映っていた。
だがしかし、どの画像にも共通した人物が映っている。
「これ…僕ですね」
画像を指さして苦笑いを浮かべていると彼女は顔を赤らめて頷く。
「はい♡一ヶ月前に駅で女性を助けているのを見て…一目惚れしてしまったんです♡そこからは追っかけるようになってしまって…」
「えっと…それってストーカー的な感じですか?」
「恥ずかしながら…だけど自宅を突き止めたり盗聴をしたりはしていませんよ」
「でも盗撮してますよね?」
「はい♡」
何故か顔を赤らめたまま頷く彼女に嘆息すると僕はこの先のことを考える。
「友達からでも良いですか?」
どうにか絞り出した言葉に彼女は不満そうな表情を浮かべていた。
「誰かいい感じの女性が他にもいるんですか…?」
急に薄暗い表情を浮かべる彼女に背筋が寒くなると僕は懸命に首を左右に振った。
「それなら私でいいじゃないですか♡」
「でも名前すら知りませんし…」
「
「
お互いに自己紹介を済ませると少しだけ照れくさい気分に駆られる。
「どうか私と付き合ってください♡流さんのことなら全肯定して溺愛しますよ?♡ただ…女性関係だけは何一つ許しませんが…」
最後の言葉だけ圧を込めて言う君美に恐怖を覚えたが僕は頷いてしまう。
「じゃあ…少しずつでお願いしま…」
「早速家に行きましょう♡」
「え…」
僕の言葉を遮った君美は席を立ち上がると僕の腕に自分の腕を絡ませる。
ここから僕はどうなってしまうのか…。
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