風の虹 外伝

星之瞳

第1話王の憂鬱

カルディア国の王は近頃考え事をすることが多くなってきていた。

原因は能力者が生まれにくくなっていること。

この国は王族、貴族、能力者で事を行ってきたが、このまま能力者が減り続ければ国を維持することが難しくなる。

自分の代はまだ大丈夫だ、だが、次の代にはどうなるか?息子や娘に苦労をさせることにはならないか。

考え出すと止まらない。王は憂鬱になるばかりだった。


その変化に王女のリーゼは気づいていた。

「お父様近頃考え事をしている時間が多いようだけどどうなさいましたの?」

王は、リーゼに自分が考えていることを打ち明けた。

「それならば、ほかの世界から人を呼べばいいのではないのでしょうか?」

「ほかの世界?お前には見えるのか別の世界が?」

「ええ、こことは違う考え方や社会を持つ国があることは解ります、そこから人を転移させて、その人から学ぶ。ただ、私には転移させる力はありません」

「では、どうする」

「神であるヴェンティ様に相談なさったら?この国では最高のお力をお持ちですから」

「そうだな、それしかないか。いずれ神殿にお伺いに行く事にしよう」

「行くときはカイをお連れになってこの国で有数の能力者ですし」

「そうしよう、さっそく準備だ」


王はカイを呼び、神殿に行く訳と準備を頼んだ。そして一緒に行く事も。

カイはさっそく準備に取り掛かった。



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