#2 げんじつ

俺はバイトの場所に来た。結構広い倉庫だ。


そしてなぜか夜である。夜じゃなければならないらしいが、なんでなんだよ。


車に乗せられて、山道を進んだ先にあった、まさに陸の孤島と言うべき倉庫の中は、真っ暗闇の一言で済ませることができた。



「この倉庫に散らばってるんですよ、ロケットの部品が」


車の運転手が、懐中電灯を渡すと同時に言った。


「部品はどこに集めれば良いんですか?」


「この白い円の中に16個入れておいてください。では、私はこれで」


運転手は倉庫から出ていくと、車に乗ってどこかへ行ってしまった。


「さぁてと」


俺は深呼吸すると、早速ロケットの部品を探しに行った。














ロケットの部品は、マジでロケットの部品らしく、鉄の板やネジ、さらにはハンマーなどだった。


もっとこう……………いや、そんなものか?


まぁ俺はロケットにあまり詳しくわない。

真面目に作業しようか。





それにしても暗い、この倉庫。


灯りは持っている懐中電灯1つのみ。

倉庫なのだから、どこかに電気のスイッチがあると思ったんだが、なさそうだ。


おそらくもう倉庫の中は全て探索したと思う。


思ったよりも狭い。アメリカなどにあるデカい倉庫を予想していたが、そんなことはなかった。


しかし、倉庫にしては散らかりすぎじゃないか?


…………まぁそんなもんか。





闇の中に、足音だけが響く。


順調にロケットの部品を集めていくなか、俺は、とあるものを見つけた。










血痕けっこんだ。誰のだろう?


いやいや、なぜこんなところに血があるのだ。


特に誰もいない暗いところを1人で探索することに恐怖心はあまりなかった。


しかし、を見れば、誰だってフリーズはするだろう。



ゴクリと唾を飲み込む。



「ゴクリ」




…………気持ちを落ち着かせよう。


スマホで音楽でも流そうじゃないか。


アーティスト、ハードくんの『ノーイージーライフ』は俺の好きな曲だ。



この暗い曲調から一気に明るい曲調になるのが好き。



部品探しの作業もはかどってきた。



もう15個集めたので、あと1個で、バイト成功だな!

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