夕陽、花房の周り
春嵐
第1話
言うのが多少はばかられるけど。この暖簾の花の下で、初対面のひとに告白をした。本当の本当に初対面だった。目の前に立ったとき、あっこの人だと思って。そのまま普通に、緊張とかそういうのも何もなく。一緒にいてくださいって。言った。
何度思い返しても、しぬほどはずい(はずい:はずかしいの省略形)。
本当に、はずい。言った瞬間とかは全然普通なのに。今思い出すともう、全身の血がF1みたく音を立てて加速してしまう。
でも、彼は出会ったそのときから今の今までずっと普通で。今も普通にしている。
「おお」
ほら。あそこにいる。なんか、暖簾の回廊で咲こうとしている花を見つけたのか、にこにこしている。嬉しそう。
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