第35話 異能の妖魔たち
教団には、唯一の一般人である『地乃神介』が代表直属の『親衛隊員』として置かれ、副代表で1番隊隊長の神谷と同じく副代表で6番隊隊長の小林を除く、各隊の隊長と同格同等の扱いを受けている。
神介の家系は、先祖を遡っても他の隊員とは異なり神の名は無く、教団の中でも特異な存在といえる。
大神家に代々伝わる古文書には、人外の存在と神々との戦いにおいて、強力な援助者となる『神の子』が記されている。神介はその神の子として、無限に拡がる時空間から教団が全組織を挙げて探し出し、特別な存在として教団に組み込まれている。
事務局内にある会議室から声が聞こえる。
「八王子のあの事件、対策は進んでいるのかな?」
「代表、現在のところ、まだ調査中です。事件の状況から見て、ヤツらが起こしたものに間違いはありませんが、ヤツらが存在する時空間への接続について探っている状況です」
「小林くん、事件が起きた日時は確定している。その時間に時空間移動して調査してみたらどうかな?」
「代表がおっしゃるように事件当時に時空間移動すれば、人間界に侵略するヤツらの動きを掴めると思います。またその際の接続空間を利用すればヤツらの世界に飛び込むことも可能とは思いますが、ただ・・・・・」
「ただ?何か問題でもあるのかな?」
「ヤツらの世界に飛び込むとなれば、相手方の規模や戦力などもある程度把握してからでないと、飛び込んだ我等が全滅する可能性もありますので」
「確かに小林が言うように、ヤツらと対抗できる体制で乗り込まなくては危険ですね。中心となる妖魔たちの能力もかなり高いことは分かっていますから」
「そうだね、神谷くんが言うように、我々がかって戦ってきたうちでも、獣魔や使い魔たちの能力なら十分に倒せると思うが、妖魔たちの能力は強い。残念ながら今のメンバーでまともに戦えるのは、私と神谷くんと小林くんの3人ぐらいだね」
「代表、それに神介がおりますので、こちらはなんとか4人ですね。しかしヤツらの戦力は、古文書によると、強力な異能力を持つ妖魔と呼ばれる個体は7体。火星魔王、水星魔王、木星大魔王、金星魔王、土星魔王、天王星魔王、海王星魔王と記されています」
「水金火木土天海か。まるで太陽系の惑星そのものだね。木星のみが大魔王と記されているので、これがヤツらの中心のようだね?しかし、我々が棲むこの地球が抜けているのはなぜかな?やはり神々のお加護だろうか」
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