316. 金属鎧を作ろう?
ウラちゃんが金属鎧を求めているということで『溶鉄の輝き』までやってきた。
このところ出歩くことが多かったからここに来るのも久しぶりだけど、結構繁盛してるなぁ。
さて、テイサさんとハノンさんはどこだろう?
「ん? リリィじゃないか。なにか用かい?」
「あ、テイサさん。丁度いいところに」
「丁度いいところ? なにか相談か?」
「はい、実は……」
私はウラちゃんのことをテイサさんに説明する。
すると、テイサさんはすごく難しい顔になった。
やっぱり、金属鎧はまだ早いのかな?
「うーん、あんまりおすすめしねえな。予算的にプレートアーマーは無理だろうから、チェインメイルかスケイルメイルだろうが、防御力はともかく手入れがな」
「ああ、そっちが気になるんですね」
「当然だろ。傷んだ防具じゃ本来の力は発揮できないからね」
ああ、私の革鎧もそんな感じだなぁ。
そこはやっぱり金属鎧も共通か。
「それに、そっちのウラって子。金属鎧を着けてまともに動けるのかい?」
「え?」
これにはウラちゃんが意表を突かれたようだ。
ウラちゃんは体力自慢の面があるからあまり気にしていなかったんだろう。
そういえば、金属鎧ってそれなりの重さになるんだっけ。
「とりあえず、こっちに来い。チェインメイルを試着させてやるよ」
「ありがとうございます!」
ウラちゃんってばそんなに喜んじゃって。
大丈夫なのかな。
「うぅ……重い……」
だめだった。
革鎧でもそれなりに重さはあるけど、あちらの方がだいぶ軽い。
それにいろんなところでウラちゃんの革鎧は締め付けるから、重さも分散されているんだよね。
対していま着ているチェインメイルは、頭からすっぽり鎖のかたまりを着るような物だ。
手まで届く長袖シャツにフードまでついた鎖のかたまりを身に着けているんだから、相当重いだろう。
実際、それを着たまま走ってみると、2分でへばっていた。
これじゃあ、実戦向きじゃないね。
「わかったろう。お前じゃまだ金属鎧は早い。もっと体力をつけて出直してくるといい」
「は、はい……ありがとうございました……」
「それに、リリィのお店なら金属鎧とたいして変わらない値段で、革の全身鎧が買えるはずだ。そっちの方がお得だと思うがね?」
ああ、そういえばそうだった。
テイサさんにいま着ているチェインメイルを実際に買った場合の値段を聞いたけど、本当に私のお店で革の鎧一式を揃えるのと大差ない値段である。
私のお店が特別安いからみたいなんだけど、それでも金属鎧にこだわる必要がないなら革鎧の方がいいそうだ。
なにより、チェインメイルやスケイルメイルはジャラジャラ音がするから、不意打ちむきじゃないしね。
ウラちゃんにはひとつ勉強になっただろう。
私も勉強になった。
さて、ウラちゃんはどうするかな?
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