240. タラトの戦闘能力

 さて、生産系の蜘蛛糸はどの程度の力があるのかわかった。

 となると問題は戦闘能力だ。

 プラムさんは『量るだけ無駄じゃ』と言っているけど、それでもある程度は把握しておきたい。

 タラトの戦闘力を確かめるためにプラムさんと模擬戦を行ってもらおうと思ったけど断られた。

 いわく、器の大きさが違いすぎて量りようがないと。


 そのため、私はモンスターで相手になるようなものがいないかメラニーさんに調べてもらう。

 でも、結果はこの時期だとプレーンアースドラゴン以上のモンスターはこの近辺に生息していないそうだ。

 プレーンアースドラゴンを餌にしていたグランドデスワームも進化前のタラトとプラムさんに倒されているし、プレーンアースドラゴンでも調べるには物足りないだろうということ。

 うーん、なにを相手にすれば……。


「リリィさん。相手がいないのでしたらちょうどいい力試しの相手がいますよ」


「え?」


 メラニーさんが言うにはこの街から北西方向に馬車で5日ほど進んだところにある火山の火口付近に幻獣側のドラゴンが住んでいるそうだ。

 私は知らなかったんだけど、ドラゴンには普通のモンスターとしてのドラゴンとヒト族よりもはるかに高い知能を持った幻獣のドラゴンがいるらしい。

 そして、その山には幻獣のドラゴンが棲み着いているそうだ。

 この国……というか、旧国家?

 ともかく、この国の冒険者ギルドでは金級冒険者になるための試験のひとつとしてこのドラゴンに戦いを挑み、認められて鱗を与えられることがあるそうだ。

 私はそんな大物冒険者じゃないけど、プラムさんの戦闘能力は金級冒険者以上のものがあるので、そのプラムさんが相手をできないとなるとそのドラゴンに相手をしてもらうしかないそうだ。

 うん、話が大きくなった。


 話は大きくなったんだけどそれ以外にいい方法は見つからず、ルミテグランドウィングに乗り込みそのドラゴンがいるという山を目指す。

 普通の馬車で5日ということはルミテグランドウィングなら1日かからないね。

 実際、麓までは日が傾く前にたどり着けたし。

 ただ、ここから先は山道を歩いて登るしかなかったため、1日野営をして翌朝から出発だ。


 この山はドラゴンを相手にいく冒険者がいるため、うっすらとだが道がある。

 斜面もそこまで急じゃなく、わりと登りやすい。

 それでも山頂付近まで来ると結構急なんだけどね。

 さて、目的のドラゴンは……。


『なんだ? 我が縄張りに来るとは新たな挑戦者か?』


 うわ!?

 空からドラゴンが!

 それにプレーンアースドラゴンなんかと比べものにならないくらい大きい!


「ええと、あなたがここにいる幻獣のドラゴン……ですよね?」


『そうだ。この山の守り神にして冒険者の挑戦を受けるものだ』


「あの、あなたにお願いが」


『願い? なんだ、申してみよ』


「私の従魔と戦ってほしいんです。冒険者ギルドでは強さを調べられないと言われて」


 これを伝えるとドラゴンは腹を抱え大きな笑い声を上げた。

 そこまで笑わなくたっていいじゃない。


『いや、笑った。人の従魔程度を冒険者ギルドで測定不能とは。そこまで冒険者ギルドの質は落ちたか?』


「そんなことはないと思います。私の従魔が強すぎる……らしいので」


『わかったわかった。怪我をさせない程度に相手をしてやろう』


 む!

 タラトのことを馬鹿にして!

 タラト、軽めの凍傷なら付けちゃっていいからね!

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