第7話

ハナコは潜んでいた。

チャンスを伺っていた。このために汚いところへいったのだ。

踵の外側からゆっくりと足を下ろし、1歩1歩詰め寄り飛びかかる。鏡に映る自分の姿が野生的な美しさに写る。これが本来の私だ。そうなのだと感じさせる。いつか憧れた姿よりだいぶふくよかではあるが素晴らしい。

 やりたいことが見つかった瞬間だった。幼い頃母に

『やりたいことを見つけたらとことんやりなさい。』

といわれたのを思い出す。

『どこに着くの?』

『やり続けたらいつか着くよ。』

空だった心がなにかで埋まっていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る