第三章 2.トラブル 1
「何してくれるんだよ!!俺の制服がよ!!」
制服を汚されて怒鳴り散らしている
「弁償しろよ!!クリーニング代!!」
怒鳴られて、女の子は怯えるように後ずさるが、怖くて逃げ出すことが出来ないでいた……
「何か言えよ!!」
他の学生が、その子の手を掴む……
もし、このとき、少女がぶつかった相手が、ただの学生なら、ため息をついて許してくれただろうが、
少女がぶつかった相手は、自分より幼い子供に対しても、大人になれない哀れな子供……
少女は、あまりの恐怖に泣きそうになった……
「こっち見ろって言ってんだろ!!」
そして、目の前の学生が、少女の頭に……手を伸ばす……思わず顔を背け眼をつぶるが……髪を掴まれる感覚は、いつまでたってもこない……
それどころか、少女を掴んでいた腕が、離された……
「なっ……なんだよ!!おっさん!!俺の手を離せよ!!」
その声を聞き……少女は眼を開けた……
それは……どういったことだろうか……さっきまで、少女を掴んでいた学生の腕を……時代劇で見るような和服を着た男性が掴んでいた。
「女の子に対して……乱暴すぎだと思うんですけど……もう少し、穏便に済ませませんか?」
そう言いながら男性は、学生の腕を捻った
「痛ぇ!!!!!!!お前ら助けろ!!」腕を捻られた学生は悲鳴を上げ、仲間に助けを求める
「離しやがれ!!このおっさん!!」そして、いち早く、学生の友人が襲い掛かるが
「危ないですね」学生の腕から手を離し、男性はそれを避けた
「勉……大丈夫か!!」解放された学生に、他の仲間が駆け寄る
「4人もいて、自分の友人は心配できても、他の人の事を考えられないなんて……悲しいですね」
男性は、そんな彼らを見ながらそう言う
「ふざけんな!!忠!!英!!正!!このおっさんを囲むぞ!!」腕を極められた学生、勉が他の三人に命令する
「「「OK」」」三人は、左右後に立ち男性を囲むが……
「おっさんと言う歳では無いと思ったんですけどね……」とため息を吐く……少女はそんな男性に……
「逃げて!!」そう言うことしか出来ない自分を……嘆いた……
そして、少女の声に、男性は軽くこちらを見て、にっこりと微笑んで、手を振った……ただそれだけだった……
そして、男性は、勉に……顔面を殴られ……背後の学生から蹴られ……左右から殴る蹴るの暴行が……
「この!!くそ!!」男性を囲みながら、学生たちは、罵倒をしながら殴る……このままでは……自分を助けるために……男性が死んでしまう
少女はそう思い……恐怖で震える足に力を入れて……勉に飛び掛る!!
「ごはっ!?クソ離しやがれ!!」不意を突かれて勉は横倒しになるが……すぐさま少女を突き飛ばそうと手を動かそうとしたとき……
「だから、女の子を傷つけるような真似をしてはいけないと……言っているでしょう」囲まれて殴られているはずの男性が、勉の腕をまた握っていた!?
「しぶとい奴だ!!このおっさんが!!」勉は、そんな男性の顔面をまた殴ろうと……拳を振り上げるが……
「お巡りさん!!こっちです!!早く来てください!!」
女性のそんな声が聞こえ……彼らは振り向くと……男性と同じ様に……いや、現代風にアレンジされた和服を着た二人の女の子が手を振りながら、お巡りさんと叫んでいた!
「やべぇ!!逃げるぞ!!勉!!」学生の一人がそう言い、逃げ出し……他の学生も逃げ出した!?
「まっ、待てよお前ら!!」押し倒された上に、腕までつかまれた勉は逃げることが出来ず……
「大丈夫ですか!!」やっと人ごみを乗り越えてきたお巡りさんに捕まることとなった。
そして、安心したのか少女は、気を失った。
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