2023年6月1日

突然の雪。


季節外れの雪。


これほど素敵なものはない。


生きている意味を実感する。


この日の雪のために生きていたのだと思えるくらい。


雨や、風や、日照り。


その中でも、ときどき、特別に目を引くものがある。


そのときに、生きている理由を理解する。


本当は、生きている意味や理由などない。


それらは「ある」という姿をとらない。


認識の主体は自分。


だから、意味や理由は自分で生み出すほかにない。


それでも、これが探していたものだと思えるのは。


そう思えてしまうのは、どうしてだろう?


生きる意味や理由をアウトソースすることで生きていける。


他者によって定められたいのだ。


自分の力ではどうにもならないと諦めて。


他者にすべてを預けたいのだろう。


雨も、風も、日照りも、結局のところ、それは他者。


そして、それらは、同じ人間よりも遙かに超越したものであり。


有無を言わせない力がある。


どれほど努力しても、雨を降らせることはできない。


せいぜい、雨が降った場合のことを考えて、対策を練ることができるくらい。


自分はその程度の存在だと思いたいのだろう。


思ったところで、どうなるのか?


分からないが、それはなんとなく安定感がある。


安心感がある。


相手は、敵でも、味方でもない。


少しだけ温かく、少しだけ冷たい。


少しだけ。

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