第94話 それから一ヶ月後(9/20)
集落を拡張しようと、街全体をバリケードで囲う計画を開始してから約一ヶ月ほどが経過した。
当初何ヶ月も掛かると思っていたバリケードの設置は、結局二週間ちょっとで終わったんだ。
途中から僕の超能力での
バリケードには東側と南北の三箇所のゲートも設け、そこからバリケードの外側に出られるようにした。
ゲートは上に持ち上げるタイプなので、現状では僕でないと開けられない仕様だ。
パパが言うには現状だとそれが一番安全だという事だったので、当面は僕しか開けられない状態のままにしておく予定だ。
さらに各ゲートの内側には壁の中腹ぐらいまでの階段を作ってあり、そこには子供でないと通り抜けられないぐらいの小さい穴が開けてあるので、そこから顔を出して外側と会話する事が可能になっている。
一応壁の外側にも何箇所か小部屋を用意してあって、万が一助けを求める生存者がいた場合には一旦そこに入ってもらって、僕が来るまで感染者から隔離出来る対策もしてある。
ドアはかんぬきタイプで中からロック出来る仕組みだ。
今では各ゲートに集落で募集した守備隊の人に常駐してもらっており、何かあればパパに連絡が行くようになっている。
バリケード完成後、僕は一週間以上かけて領域内の感染者を殲滅していった。
サイコバレットとサーチをフル活用して数万単位の感染者を倒し、申し訳ないけど遺体は感染が怖いのでアイテムボックスに回収した後に破棄させてもらった。
それにより一週間ほど前からは領域内に感染者はいなくなったので、真理がいた避難所からの避難民には、区画を決めて既存の家屋を住居として割り振っていった。
その方が生活排水もそのまま流せるので楽なんだ。
もちろん水道と電気は僕の超能力で復活させて固定化してあるので利用可能だ。
必要な家電とかがない場合は僕がアイテムボックスから出して支給もしている。
僕たちだけど、キャンピングカーの生活に慣れてしまっているので、基本的にはまだそのままだ。
但し、以下のようにメンバー割を変えてある。
一号車:
二号車:僕、
三号車:
四号車:
だけどいずれは既存の住宅か、ユニットハウスみたいな物を建てて引っ越すつもりだ。
次に学校の状況だけど、元々の住民と、避難民100名の中の子供、さらに明人君たちを加え以下のような感じになっている。
中学生3名→7名
小学生6名→9名
幼児3名→5名
全体で21名にもなっているのでコンテナハウスをもう一つ追加して対応した。
明人君たちも来年の3月までは中学生なので勉強をしてもらっている。
本人たちに感想を聞いたら、こんな世の中なのに勉強出来るのは逆に平和な時のようで嬉しいらしかった。
ーーーーー
集落としては学生以外は以下のような仕事を割り振っている。
但し、高齢だったり持病があったりする人は免除だ。
・農作業:既存の農家主体で米、野菜などの生産
基本的には皆これをメインで働いてもらっている。
次世代に引き継ぐ為にも教えながらという感じでの作業だ。
・物資調達:スーパーなどからの物資の調達
感染者のいなくなったバリケード内で、離れた位置の店舗にある物資を
トラックなどで倉庫に集約する作業となる。
・店舗運営:倉庫および僕がアイテムボックスから卸す商品の販売、管理
集約した倉庫の物資を集落の人に販売する作業だ。
お金は取らないけど、一人いくつなど種類に応じて制限を掛けたりして、
物資を配布してゆく作業となる。
収集する物資では手に入らない生鮮食品などは僕が都度卸している。
・畜産:養鶏や家畜の飼育
養鶏での採卵や、家畜の飼育による食肉の生産作業。
現在は養鶏を少しだけやっている。
餌やりと卵の回収担当は光司君だ。
・守備隊:ゲートの常駐警備
守備隊と言いつつ武器で積極的に戦う訳では無い。
トランシーバーで連絡を取りながら、外部からの訪問者がこないか
ゲートの監視をしたりする。
・学園運営:子どもへの教育
パパが学園長、明日奈さん、莉子さんが教員で運営する学校。
教科書や文房具は僕がアイテムボックスから提供している。
特にテストなどはなく、中学生の卒業まで通う事になる。
昼食はパンとシチューなどの給食も提供される。
・インフラ整備:電気、ガス、水道、下水などの運営管理
現状は僕一人で白蛇さんから授けられた
だけど下水の処理もいずれは必要になるし、僕が死んだ後の事を考えると、従来のような設備も必要になって来るだろう。
専門の技術者が欲しいところだと思う。
こうしてバリケードも完成して集落の安全も確保できたので、これからはある程度ゆっくりと皆が暮らし易くなる街作りを行なってゆこうと思う。
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