三章 集落での生活
第71話 新しい生活(8/11〜8/12)
集落での生活が始まり、まずは歓迎の夕食会を開く事にした。
僕たちの歓迎となるので表向きの主催はパパたちだ。
僕はアイテムボックスから、カセットガスコンロとすき焼き用の鍋を数台、タレ、肉、豆腐やネギなどの具材と、生卵、にぎり寿司のセット、コーラやウーロン茶、オレンジジュース、各種のピザやポテトなどを取り出して、パーティー用の食材とした。
どれも今の状況だと容易には手に入らない物だけど、僕のアイテムボックスには色んな品それぞれが約百万個のストックがあるので当面の間は使い放題だ。
いずれは無くなってしまうけど、このような日には贅沢に使用したいと思う。
飲み物を片手に席に着いた皆に、パパが乾杯の音頭を取る。
「みな準備は良いかな? えー突然世界が変わってしまい、大変な世の中になりました。だけど我々はまだ生きているし望みも捨てていない! 今回ここに来てくれたみんなと、今後も生きていく事が出来るように一緒に頑張りましょう! それでは、乾杯!!」
「「「「「「 乾杯! 」」」」」」
「「「「「 かんぱーい! 」」」」」
「みんな! この集落にいらっしゃ〜い! 仲よく暮らしましょうね!」
「みんなよろしくね!」
「「「はい! よろしくお願いします!」」」
「「「「「は〜い!」」」」」
ママと玲奈もみんなと笑顔で挨拶を交わした。
「やった〜! お兄ちゃん、美味しそうだよ!」
「美久、こぼさないで食べろよな!」
美久ちゃんがピザを少しこぼしながら頬張ると、光司君が注意している。
「あ、
「「うん」」
早苗ちゃんは相変わらず幼児組のお世話で忙しそうだ。
小学生組の
「私たちも食べよ!」
「うん、そうだね!」
僕と明日奈さんも隣り合い、笑顔で一緒に色々な物を食べながらパーティーを楽しんだ。
そうそう、玲奈のペットのハムスターはダンボールで暮らしていたんだけど、僕がパーティの前にアイテムボックスでハムスターのケージを出し、床材とか専用の餌も揃えてあげた。
ハムスターのナイトとあずきも家族なんだ。
今日はおやつもいっぱい出してあげる事にしよう。
ーーーーー
翌朝、早く起きた僕は日課の筋トレとバールの素振り、超能力の訓練を行なう。
こういうのはやはり日々の積み重ねが大事なんだと思う。
白蛇さんに身体能力を上げてもらったけど、これからどんな敵が現れるかも分からないし、その能力にあぐらをかかずに鍛えて行こうと考えている。
数十分、良い汗をかいた僕はキャンピングカーに戻ってシャワーで汗を流した。
朝食は冷蔵庫の食材で明日奈さんが用意してくれる事になっている。
基本的には和食で、白米と味噌汁、目玉焼き、ハム、ソーセージ、スクランブルエッグ、納豆、味のり、生卵、各種の焼魚などをローテーションしながら食べる感じだ。
頃合いを見て早苗ちゃんたちの車両にも、ほっかほかの朝食を届ける。
食育は大事だから幼児たちにも朝食はきちんと食べてもらおう。
美味しい朝食を食べた終えた僕は片付けを女性陣に任せ、パパと光司君と一緒に事前に話のあった集落の集会に参加する。
万が一誰かに目を付けられても困るので明日奈さんたち女性陣は参加させず、僕と光司君が代表で参加する事になっていたからだ。
「その子達が新しく来たって子かい?」
「若いねえ」
「よく来たなあ」
「大変だったろう」
「僕たちは小さい子も含めて九人で来ました。これからよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
年配のおじいさんたちに声を掛けられ、僕と光司君は挨拶の言葉を告げた。
その後は拳銃で皆を脅していた男たちが追放になった事が通達され、これには皆が安堵した様子だった。
パパが銃撃されて治った奇跡についても噂されている様子だったけど、パパがうまい具合に実はかすり傷でした、という感じで誤魔化す事が出来ていた様だ。
とりあえず明日朝、物資調達に町の中心部に出るという事なので、僕だけは今回から参加する事になった。
光司君はまだ中学生なので参加は見送らせてらった。
これからこの集落の皆さんと一緒に力を合わせて生きてゆこうと思う。
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