おじいさん、鬼退治に行ってきます!

 「桃太郎なら『鬼退治に行ってきます!』っと言って旅に出たが?」

 「嘘でしょ……?」

 「ホントじゃよ、何か用事があるなら、まだ間に合うぞ!」


 それを聞いた時、このジジイ正気かよ、何で止めなかったんだよって思っちゃった訳よ。

 だってさ、鬼ってさ、金棒片手にブンブンぶん回す化け物なんだぜ?

 そんな化けもの相手にするのにさ、止めないってやっぱジジイ、サイコパスなんじゃねーの!?


 って、そんな事を思っている間にも、桃太郎君は死への道を歩いて行っているんだよな!

 何だかんだ、見守ってたせいで、愛着あるし、絶対死なせはじないぞ僕はぁぁぁぁ!


 …………


 「ワン!」

 「分かった、キビ団子をあげよう、代わりに鬼退治についてきてくれ!」

 「ワン!」


 やべーよ桃太郎、犬と話しちゃってるよ、え? あのジジイの痛い血が覚醒しちゃったの?

 つーか犬にキビ団子ってあげても大丈夫なのかい?

 と言うか、犬ついてきちゃってるよ、餌貰ってついてきちゃってるよ。


 犬、ダメだって、ついて行ったら大変な事になるよ!?

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