幼馴染と双子の何角関係⁉︎なのさ⁉︎ てかさー…あんたって自分から拗らせてるじゃないのよっ‼︎

猫の集会

双子

 ピピピ・ピピピ…

 

 小鳥のようなかわいい音の目覚ましで目を覚ましたわたし。

 

 ことりさんおはよう・なんて、まだ眠たいけど一応ことりさんに起こしていただいたお礼のご挨拶を心の中でした。

 

 で…

 

 ポチッと目覚ましをとめたんだけど…

 また枕に頭をのせてあと一分ならいいよねとゴロンとすると…

 

 

 ビクッ‼︎

 

 すぐ隣にわたしが…⁉︎

 わたしがもう一人ーー‼︎‼︎

 

 …

 

 って…あぁ、菜月なつきか。

 

 わたし湯川香月と菜月ゆかわかづきとなつきは、一卵性の双子

 

 一卵性なのでとにかくそっくり。

 

 なので友達からは、ん?どっち⁇とよく言われるのである。

 

 でも、お隣に住む三谷みや功太こうただけは私たちをすぐに見抜いてしまう。

 

 見るからにして賢さオーラが違うだろって失礼なことを言うの。

 

 まぁ、なっちゃんの方がほんとうに頭いいしお姉ちゃんだけどさ…。

 

 でもさーでも、こーたのやつ…いつか…いつか…わたしだって賢さオーラをまとってやるんだからねっ‼︎

 と、思いつつ言ってる側から漫画を読んでお菓子を頬張るわたし。

 

「はぁあぁ〜、王子様…いつか素敵な王子様がわたしにも現れますようにっ‼︎あ、でも…いつかじゃ婆さんになりかねない…、なら…なら今すぐにでもっ‼︎」

 と必死に盛大な独り言。

 

 そして、お菓子をパクリ。

 

「ブッ…、プハはぁっ〜、は、腹いて〜っ…くくく」

 

 ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 

 ドアの入り口で笑い転げているのは、こーたーっ‼︎

 

「ちょっ、何覗き見してんのさっ!変態がぁっ‼︎」

 とお菓子の入った小さな袋を功太にパシッと投げた。

 

 すると功太がそのお菓子をキャッチし、いただきまぁすと一口でパクりと口に頬張った。

 

 こ、こーたのやつ…

 かっこよくキャッチしてー…。

 一瞬ドキッとしたわ…

 

 もう‼︎わたしをドキドキさせた罰よ‼︎ふふっ。

 

「こーたー。それ二ヶ月期限過ぎてるお菓子だよぉー」

 とわたしは、ニンマリとした。

 

 冗談だけどねっ。

 

「えっ⁉︎マジかよぉ〜」

 慌てるこーたにお茶を差し出した。

 

 ゴクゴク。

 

 ニマァ〜。

 

「それ、あたしの飲みかけだよ♡?」

 なんてまた、冗談を言うとボフッと吹き出すこーた。

 

 そこになっちゃんが現れた。

 

「んもー、こーたぁー。何お茶こぼしてんのさ。早く拭くもの持ってこないと。」

 

 なっちゃんは、手際良く拭いていた。

 

「聞いてよ、なつー。かづきがオレに意地悪してきたんだぜ!」

 と、なっちゃんに告げ口をしていた。

 

「はいはい。もうすぐ中学生になるんだから二人とも少しは、大人になりなさいよ」

 と淡々と怒られた…。

 

 もうお姉ちゃんっていうよりお母さんみたいなんだよね。

 

 わたしには、やっぱりなっちゃんみたいなしっかりさんにはなれないのかもしれないなと確信してしまった。

 

 なっちゃん…わたしはなっちゃんみたいになりたいよ。

 

 お茶を拭いているなっちゃんの背中をみながら心でそうつぶやいた。

 

 

 続く。

 

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