マイク・ポップ・あの日の記憶
坂無さかな
第1幕
ゴールデンウィークなのでポップコーンを買い込んだ。
頭に入れても入れなくてもいい映画を観ながら口に入れても入れなくてもいいポップコーンを頬張りたいから。
いつものリュックをポップコーンでパンパンにし、なおも入り切らぬポップコーンを手に持ち、暖かくも寒くもない夜を歩いた。
向かいから大学生らしいカップルが歩いてきたので夜のテンションのままに
「よかったら」
とポップコーンを一袋、男性の方に手渡した。
「え、え、え、ありがとうございます」
「そんなことある?」
「「あはははは」」
2人の声を背に、マイクでポップに家路を急いだ。
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