「今日、カフェに寄らない?」

 月曜日。

「鉄也〜朝だぞーい」

「んっんん……」

 紅羽の声で目を覚ましたが、目が開く許してくれなく瞼がくっついたままだった。

「鉄也朝だよ」

 ドアが開く音が聞こえ、そのまま紅羽の足音が鳴り響いていた。

「鉄也きゅーん。起きて、グッドモーニング! 朝だぞい」

 体を揺すられるがやっぱり眠気が勝っていた。

「……ふむ」

 

「うっ……」


 腹に何かが乗っかてきた。

「んっ」

 目を覚ますと紅羽が俺の腹に座っていた。

 彼女の方を見るとニコっと悪い顔をしていた。

「朝だよ鉄也」

「ん……」

 体を起こすと紅羽が少しだけ動いていた。

「顔、洗ってくる……」

「はいよー」

 俺は洗面台の方に向かい顔を洗って自分の部屋に向かった。

「……おぉ」

 紅羽はというと棚の方から漫画を読んでいた。

 制服を取り出し、パジャマを脱ぎ制服に腕を通し着替え終えた。

「じゃあ行くか」

「うい」

 紅羽も本を閉じ鞄を持って一緒に玄関を出た。

「ねぇ、鉄也」

「ん?」

「今日、カフェに寄らない?」

「いいよ。なにか食べたいのがあるのか?」

「アイスのストロベリー味のが出たから気になって鉄也と食べたいなって」

「アイスか……」

 少し想像をしただけでも美味しそうに感じた。

「了解。放課後な」

「うん! ありがとう!」

 紅羽が嬉しそうに微笑んでいた。


 ◇


 放課後チャイムが鳴り。紅羽がこっちに近づいてきた。

「鉄也帰ろ〜」

「うい」

 鞄を持ち上履きから履き慣れた靴に履き替えて、カフェの方へと二人して歩いて向かい店に着いて店内入店した。

「いらっしゃいませ〜。お客様は何枚様でしょうか?」

「2人です」

「二名様ですね。それではお席の方にご案内します」

 店員さんに席に案内され向かい側に紅羽が座っていた。

「雰囲気いいね」

「そうだな……」

 初めて入るが雰囲気が好きだった昔でいうとレトロとは多分こんな感じなんだろうかって彷彿させる作りだ。

「アイス頼むか?」

「頼もう!」

 さっそく店員さんにストローベリーのアイスとバニラアイスを頼んだ。

「かしこまりましたー」


 10分ぐらいでアイスが届いた。

「おお……」

 紅羽が頼んだアイスを見てみるといちごのソースがかかっており艶がてで美味しそうに見えた。

 俺のはというと無難なバニラアイスで棒クッキーまでついていた。

「じゃあいいだきます!」

「いただきます」

 掛け声ともに紅羽はストロベリーをスプーンですくい口の中へと入れた。

「んー♡ 美味しい」

「俺も……」

 俺も一口スプーンで差し込み口の中へと放り込むと牛乳の濃厚な香りと味がガツンと来ていた。

「うま……」

「どれ?」

「ほい」

 自分のアイスをすくい紅羽に食べさせた。

「ん〜美味しい!」

 嬉しそうな表情をしていた。

「はい。鉄也もあーん」

 紅羽も変わりとして自分のアイスをスプーンですくい俺の方へと分けてきた。

「あん……おぉ」

 いちごの味がしっかりと引き立てていてソースが濃厚だった。

「……うま」

「ねぇ、美味しい〜!」

 パクパクとアイスを夢中になって食べていた。


 アイスをあっという間にペロリと食べ終えて少し雑談とか交わしながら店を出た。

「美味しかった!」

「美味かったな。また来ような」

「うん来ようね!」

 紅羽が笑顔で微笑んでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る