「やっぱり鉄也にありがとうって言ってくれるの好き」
お昼はラーメンを食べ終えゴロゴロとまた布団の方で寝っ転がっていた。
プルルッ。
「……?」
電話が鳴りだし名前を見てみると紅羽だった。
「もしもし?」
『あ……、鉄也?』
「お、おお……」
紅羽の声を聞いて思わずドキッとしてしまい声が裏返ってしまった。
「どう、した……?」
『いや……うん』
紅羽の息を思いっきり吸い込む音が電話に響き渡っていた。
『……ちょっと声、聞きたくなっちゃって』
「お、おぉ……」
声を聞きたいと言われ思わず拳を握りしめ、ガッツポーズをしていた。
『へっ変だね……昨日も鉄也の声を聞いたのに……電話しちゃってごめんね』
「いや、俺も紅羽の声、聞きたかったから嬉しいよ」
『――えっ⁉』
紅羽の少し声が上がっていたのがわかった。
「……」
『あっ、うん…………ねぇ鉄也。もしあれなんだけど、今から会いたいって言ったらダメかな?』
「えつ⁉ おぉ……」
会いたい……そう言われた。いつもは「遊ぼ~」とメールがあるか直に遊びに来る感じだったから、なんか新鮮。
「い、いいよ……場所はどうする」
『いつも通り、鉄也の部屋でいい?』
「わかった。待ってる」
『うん!』
そのまま電話は一旦終了した。
「待っているか……」
なんていうか言葉にするとなんて表現をしたらいいのか分からないが、気持ち的に嬉しくれ少し背中がくすぐったい気持ちになっていた。
数分後、家のチャイムが鳴りドアを開ける約束通り紅羽が来た。
「やっ……」
「おっ……」
軽く挨拶をし、そのまま紅羽を家に招き入れ、俺の部屋に向かっていった。
「今日はその……ありがとうね。お願い聞いてくれて」
「俺も会いたかったから嬉しいよ。ありがとうな」
「あっ……うん」
紅羽が小さく頷いていた。
「やっぱり、鉄也のからこうしてありがとうって返してくれるの嬉しい……」
そのまま俺のベットの方に紅羽は腰掛けた。
「それはなありがとうって言うんだから返したら嬉しいだろ?」
「……うん」
またして小さく頷いていた。
「ありがとうって返したらありがとうって返してくれるのは鉄也の良いところだよね」
「えっ?」
急に褒められたんだが……。
「え、どうした?」
「うん? ……せっかくね初めて出来た彼氏だから思ったことを全部吐き出そうと思って」
「えっ……おぉ……」
思わず視線を逸らしてしまった。
「やっぱり鉄也にありがとうって言ってくれるの好き。小さい頃から、言ってくれるから色々と頑張れた!」
紅羽は大きく背伸びをしていた。
「こっちの方こそ頑張れるよ。こうして一緒に居るだけで物凄く嬉しいし。紅羽の笑顔が一番大好きだからな。だからありがとうな紅羽」
「――っ! はい」
視線を左右の方に動きながら顔が右の方に向いていた。
「……好き、だよ鉄也。彼氏になってくれてありがとう」
「俺も好きだよ紅羽」
「――っ‼」
紅羽の顔がやかんのお湯が沸騰したみたいに顔が物凄く真っ赤になっていた。
「あ、あっ……うん。――――スゥ」
自分の両手で顔を隠し、思いっきり息を吸い込む呼吸が聞こえた。
顔を隠していた両手を一旦閉じ、頬が物凄く真っ赤になっていた。
「大好き……」
「――っ‼」
告白を再びされた。
「あっ……」
口元が思いっきりニヤけているのがわかっており右手で触っていて、俺はそのまま紅羽の方を見つめ。
「好きだよ紅羽」
「……はい。えへへっ」
紅羽が小さく声が掠れそうな声で返事をして笑っていた。
「……今日も一緒になにかやる?」
「ゲームとか対戦するか?」
「うん。しよう」
それから紅羽が向こうに帰るまで一緒にゲームをしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます