「……ずっと前から好き。鉄也のことが、好きだよ」
紅羽と恋人となってから1週間が過ぎ金曜になっていた。
と、いってもやっぱり恋愛的な恋人みたいにイチャイチャするってことはなく。やっぱり友達関係に近い感じであった。
「今日の宿題。課題多すぎるよね……」
「一緒にやろう。面倒くさいのは先にやっちゃった方が遊べる時間が増えるし」
「そうだね、鉄也と一緒にゲームとかしたいからパパッと終わらせよ」
「今日のゲームはなにやるんだ?」
「うーん。……勉強が終わってからで」
「あいよ」
話し合いをしてる間に家の方に着いていた。
「私の部屋で勉強する?」
「ん? 別に良いけどなにかあるのか?」
「オレンジジュースとクッキーが余ってたから鉄也も飲むかなーとお誘い」
「そっちの方に向かいます!」
「即答だったね……。それじゃあ私の部屋に向かいますか」
クッキーとオレンジジュースがあるなら向かわなければ。
そのまま紅羽家へと向かい家の中に入っていく。
「ただいまー」
「お邪魔します」
するとリビングの方から声がしてきた。
「おかえりなさいー」
そのままリビングの方へと顔を出すと紅羽のお母さんが煎餅を食べていた。
「鉄也くん。いらっしゃい」
「お邪魔します」
「お母さんただいマンボー」
「紅羽おかえりんご。冷蔵庫にプリンあるから鉄也くんと一緒に食べていいわよー」
「ありがとうお母さん」
「ありがとうございます」
「ほい。それじゃあ夕飯の買い出し行ってくるからカレーでいいかしら?」
「いいよ」
「了解っと。……お父さんに塩辛買ってあげないとだわ。あとは明日の朝ごはんと明後日のお父さんと一緒に買い物するのも考えないといけないね……」
そのままおばさんはどこか去っていった。紅羽からは聞いてはいるが一緒に買い物とかするほど仲ないいらしい。
「それじゃあ。飲み物取ってくるからちょいと待ってて」
「手伝うよ」
そのまま紅羽の後を追った。
「それじゃあコップ用意してくれる?」
「了解」
そのままタンスからコップを二つ取り出し、紅羽がオレンジを持ってきて注いでくれた。
「ありがとう」
「うん」
そのまま紅羽はコップを持って部屋の方に案内し中に入った。
「着替えるからちょっと待ってて」
「うい」
紅羽は鞄を置いて制服を脱ぎ始めた。
「……」
勉強の準備をしているが普通にパンツが見えたが興奮するほどではなかった。
普通に紅羽が着替えているなーぐらいだ。
「……」
と言っても、見ているのも流石に本人に悪いから本棚から適当な探していた。
ファッション雑誌とか女子向けの漫画とかある。
「……ん?」
指で探しているとアルバムを見つけ子供の頃と書いてあった。
「アルバムか……」
やっぱり。小さい頃の紅羽も久しぶりに見たいしな。
俺はアルバムを手に取って開くと幼稚園の頃の運動会で綱引きをしている紅羽がいた。
「懐かしいな」
そのまま負けてしまった紅羽が泣いているのを思い出したがその写真も写っていた。
他にも遊戯会とか色々と写っているが普通の日常写真で公園で走っているのとかあったりしていた。
こういった姿をみると可愛く思える。
他にもチラチラ目で通すが俺と一緒にいる写真が多かった。
するとヒラっとなにか落ちていた。
「んっ?」
拾いあげると日焼けして黄ばんだ紙が半分畳んでいる状態になっていた。
「……」
ひょっと紅羽の方を見てみると青色のティシャツを着替えている最中だった。
紙を見てみると文字がぐちゃぐちゃになって書いてあった。
目を通してみると、
「 およめさん
くれは
おっと
てつや
けっこんする 」
そう書いてあった。
「……」
少し、読めなかったが、段々と読める……小さい頃に紅羽とおままごとで書いていた記憶がある。
「終わったよ。勉強しよってなに読んでるの?」
着替え終えた紅羽がこっちの方を見て顔を覗かしてきた。
「……あっ」
俺が持っている紙を持ってジッと見つめていた。
「悪い」
俺はその紙を半分に閉じて紅羽の方に渡した。
「……見つかったか。鉄也からくれた手紙」
「え、俺があげた?」
「……うん。そうだよ」
紅羽がうんと力強く頷いた。
「小さい頃に鉄也とおままごとだけど結婚するってこの手紙を書いてくれたのが嬉しかった。……本当は前に告白したいと思っていたんだけど鉄也に告白するのが怖くて、友達みたいな感じになっていたけど……ずっと前から好き。鉄也のことが、好き」
すると紅羽の頬から涙が流れていた。
「……好き」
笑顔で微笑んでいた。
「紅羽……」
「だから、少しだけ沢山鉄也に甘えたい。恋人で鉄也と頑張って、キスとか恋人の手を繋いで歩いてみたい鉄也と恋人までなれたから。……普通でなにも取り柄がないけど改めて鉄也の彼女としてそばに居ても良い?」
「ずっとそばにいて欲しいのはこっちも同じだよ……」
「え?」
そう、ずっとそばに居て安心出来ていた。
昔、剣道をやっていたが公式の時に勝った時にガッツポーズをした時に反則負けてしまった……。
それ以来、勝っても喜んじゃいけないという気持ちがあり。負けることが当たり前で団体戦で引き分けや負けが多く。中学の頃に辞めてしまい。気持ちが冷めている中、紅羽の笑顔で喜んでいる姿が好きで彼女の笑顔を見たくそばに居ていた。
だからずっと一緒に居るのが好きで彼女だと言われた瞬間内心では心の中で叫んでのも事実だった。
「俺の方こそ取り柄がないが紅羽のそばに居られるようにこれからも頑張るからよろしくお願いします」
「っ!! ……うん。こっちも宜しくね鉄也」
「こっちも改めて宜しく紅羽」
「……うん。……うんっ! ……っ」
紅羽がずっと頷きながら泣いていた。
数十分ぐらい紅羽は泣き止んだ。
「……今日は勉強出来ないくらい幸せかも」
「俺も同じ……」
気分的に満足しているから勉強どころでは気分だった。
紅羽がトンッと俺の肩に頭を乗っけてきた。
「……甘えても良い?」
「良いよ」
「ありがとう……」
紅羽が頷き。そして大きく息を吸って、
「好きだよ鉄也」
「……」
好きって言われた。
「……俺も好きだよ紅羽」
「うん」
一日ずっ日が落ちて夕飯になるまでそばに居た。
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