第23話 穂香のつぶやき
瑠璃があんなことを言い出して、一瞬なにを言われているのかわからないぐらい驚いた。でも、前世の記憶を思い出した私には、空良の気持ちがはっきりわかる。長い時を経てやっと再会できたのだ。またあの頃のようにしあわせな時間を過ごしたい。失った時間を取り戻したい。青王太子様のことを深く愛していたし、深く愛されていたのだから…
空良は半妖とは言っても妖の血が流れている。人間よりもはるかに長く生きられるのだから、あんなことさえなければ今も変わらず幸せに暮らしていたに違いない。
穂香として生まれ変わった私も、たぶん青王様のことが好きだ。
頭をなでられたりあの手で触れられることが心地いいと思うし、一緒にいるととても安心できる。
でも青王様はどう思っているだろう。
青王様の反応を見るかぎり、少なくても嫌われてはいないと思う。
だけど青王様が愛しているのは空良であって穂香ではない。
いくら空良の魂を引き継いだ生まれ変わりだろうと、空良ではない私を、青王様は同じように愛してくれるだろうか...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます