第26話 森のダンジョン
ー-4階層の探索を開始した。
前衛はバラゴスとデザイア、斥侯及び攪乱にアイリス、後衛兼サポート役で俺だ。万が一が起こらないように慎重に森を進む。俺が先行しないのはアイリス達の成長を優先している為だ。俺が何でもかんでも対処していれば、アイリス達の成長を止めることになると考えた故の考えだ。
その分、俺は『羅刹眼』の《鑑定》を使用して、素材の採取に力を入れている。洞窟と違って、そこら中に回復ポーションの素材や未知の〈果実〉や〈キノコ〉などが自生している。
【ーー条件を満たしました。スキル『採取』を習得しました。】
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鑑定 『ピオラ草』
状態 『高品質』
・下級体力ポーション作成に使用させる薬草。魔力水と混ぜ合わせることで下級ポーションを作成する。
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鑑定 『魔力茸』
状態 『高品質』
・下級マジックポーション作成に使用される茸。魔力水と混ぜ合わせることで下級マジックポーションを作成する。
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その他にも食用のリンゴのような果実や、日本で自生している山菜ぽい物も多く採取が出来た。毒何かも多くあったが、鑑定のお陰で判別は出来るので問題は無い。未知の物が多くあるので『羅刹眼』が大いに役立っている。
『ブギイィィーー!!!!』
俺達目掛けて、猛スピードで突進してくる大きな猪の魔物。
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鑑定 『ボア』
ランク 『E』
体力 1010/1010 魔力 500/500
攻撃力『F』 耐 久『E』 俊 敏『E』 器 用『G』 知 力『G』
スキル 『突進Lv.2』『噛みつきLv.2』
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ステータスは大体が『E』だった。
ボコン! ズドドドドド……
『ブギィ!?』
俺は直進してくる魔物の足下にスキル『トラップツール』で小さな《落とし穴》を造り、魔物の足を引っ掛ける。魔物は足を穴に取られて前方に大きく転ぶ。
「止まりなさい!」
デザイアが大きな盾で猪を受けとめる。
ズシン…
「首を置いてけ! [断罪] フン!」
バラゴスは自身が鍛えた斧で綺麗に猪の魔物の首を斬り落とす。
【ーーボアを討伐しました。】
スキル『トラップツール』は材料さえ揃えば色々な罠を造れる。そして罠を造れるだけではなく、罠を設置するのが上手くなる。相手が罠にかかりやすくなるのだ。
「ボアは罠にかかりやすくて助かるな。あの巨体での突進は厄介だけど、直進しか出来ないから動きが読みやすい。」
「そうですね。盾の練習に調度良い相手です。」
デザイアはボアの突進を盾の当てる角度を調整して、衝撃を上手く反らしている。
「武技はスタミナの消費が多いのが難点だな。使いところを考えて、普段は武器に魔力を纏う方が良いかもな?」
「そうじゃな。武器に魔力を纏えるのは主とアイリス殿だけじゃしな。せめてミスリルがあればのう。」
「ミスリル? その鉱石があれば何が変わってくるんだ?」
「ミスリルは魔力を通しやすい鉱石なのじゃ。だから魔力を纏いやすい上に消費魔力を軽減できるのじゃ。」
電気で言う銅のようなものかな?
「それは良いな。このダンジョンで手に入れば良いんだけどね。」
「主が使うのであれば最低でもオリハルコン、アドマンタイトは必要なところじゃのう。」
ミスリルだと俺の魔力に耐えられないと言うのがバラゴスの意見だった。バラゴスが言うのだからそうなのだろう。そうしていると森のダンジョン内にあった洞穴に調査に入っていたアイリスが戻ってきた。
「キョウスケ様、確認して参りました。どうやら中には罠は無く、〈銀の宝箱〉が置かれておりましたので回収して参りました。」
「アイリス、ありがとう。」
アイリス達は決して宝箱を開けようとしない。
宝箱を開けるのは俺の役目になっている。それは俺が運値が『SS』だからである。運値はドロップ品と宝箱に補正が入る。
「主が魔物を倒すとレアの霜降り肉が多く出るしのう。」
4階層に入ってから魔物の種類が増え、何と食用の肉をドロップする魔物も多く出るようになった。さっき倒したボアもその一体である。ドロップ品は《運》によって、複数のドロップ品を落とすこともある。ただ、俺の場合は運が『SS』だから、レア品や高品質のドロップ品が多く落ちる。宝箱に関しても、何度か試しで皆にも開けてもらったんだけど、ここでも結果は俺が開けた方が良い品が入っているという結果になった。
俺はアイリスが出した〈銀の宝箱〉の罠を解除して開ける。4階層に入ってからは宝箱に罠がかかっていることが多い。
中身は…槍。
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上級鑑定 『亡者の槍』
ランク 『国宝級』
能力 『生命奪取』
※亡者の魂が込められた槍。
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呪われている訳では無いけど、これ…どうしよう。
「主様、私が使っても宜しいでしょうか?」
興味を示したのは、この中で槍を使うデザイアだ。
「えっ!? これ、使うの?」
「問題ありません。それに私の能力に合っている気が致します。」
確かに…『悪夢騎士』であり、ナイトメアという能力を持っているデザイアなら上手く使えると思う。
「デザイアの好きに使うと良いよ。」
ゆっくりだけど確実に4階層を進んで行く。ここも奥に進むほど、魔物は強力になり多数の上位種も姿を見せ始める。今のアイリス達では、荷が重い魔物もちらほら見かける。
「ストップ! キラースパイダーだ!」
【
シャン!
キラースパイダーは死の風で両断される。キラースパイダーは2m程の蜘蛛の魔物である。キラースパイダーとシルクビートルは俺が倒す事になっている。理由? それは…
「主様…流石です!」
デザイアが見惚れるように、キラースパイダーの糸を手に取る。デザイアは《覇王の服飾士》という一面もある。シルクビートルやキラースパイダーの糸は服を造るのに非常に適しているらしい。俺が倒すと最高品質の糸が出やすいので俺が倒すことになっているのだ。
ーー森のダンジョンには大きく綺麗な河が森の奥へと流れている。日本の河とは違い、汚染が一切無い透き通った水が流れているのだ。ただし、生き物にとって水は生きる上で必要な物で魔物も例外では無い。
なので…
『ブモオオォォォーーーー!!!!』
魔物が集落を造るのにも適している。俺達は現在、オークの集落の殲滅戦を行っていた。オークはランク『D』の魔物で体格が大きく、武器を扱う魔物でもある。各武術のスキルレベルが高く、俺たちの成長に適した魔物と言える。それにオークのドロップ品のオーク肉が最高に旨いんだよ。もうね…一石二鳥なんだよ!
【ーー恭介のレベルが36へ上がりました。】
武術系のスキルは訓練でも上昇する。ただ、魔物との戦いは訓練とは比べられないほどに上昇する。俺のエクストラスキル『真武術』も最初はどんなに訓練してもレベルが上がらなかったんだ。それがブラックゴブリンエンペラーとの死闘で壁を越えたのを感じた。そう、レベルが上がったのだ。そしてその効果は劇的だった。
そう…一番成長が早いのは、武術系のスキルレベルが高い魔物との戦いである。俺は『羅刹眼』で観察して、俺の足りない事を取込み、独自に工夫して更に上を目指した結果…
【ーーエクストラスキル『真武術』のレベルが5に上がりました。称号『武王』を獲得しました。】
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称号 『武王』
恩恵1 全武器の扱いに補正がかかる
恩恵2 武技の習得率、成長率の上昇
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称号の獲得は武術系のスキルレベルが条件を満たしたんだろうな。
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レベル 36(UP↑)
種 族 『
職 業 『覇王Lv.3』(UP↑)
副 業 『ダンジョンシーカーLv.6』(2UP↑)
称 号 『(初)ダンジョンに挑戦せし者』『(初)魔物を討伐せし者』『(初)レベルアップを獲得せし者』『覇王』『探索者』『救世の魔王を継ぎし者』(改編)『ゴブリンキラー』(NEW)『武王』(NEW)
体 力 11000➡️22100/22100 (UP↑)
魔 力 9800➡️32500/32500 (UP↑)
攻撃力 『C』➡️『B』(UP↑)
耐 久 『B』
俊 敏 『C』➡️『B』(UP↑)
器 用 『C』
知 力 『C』➡️『B』(UP↑)
運 『SS』
種族特性
『竜鬼魂装』
ユニークスキル
『
『
『
エクストラスキル
『覇王の導』[覇気] [覇魔] [覇呪] [覇竜](NEW)
『封影の鎖』[魔封の鎖] [不動の鎖] [呪封の鎖](NEW)
『救世と破滅の鬼帝』(進化)
『重力崩壊』
『羅刹眼』『覇眼』+『鑑定』(進化)
『竜鬼法』(NEW)
『夢界の番鬼』(NEW)
スキル
『マップLv.6』(UP↑)『アイテムボックスLv.6』(UP↑)『探知Lv.8』(UP↑)『思考加速Lv.8』(UP↑)『気配察知Lv.8』(UP↑)『柔軟Lv.7』(UP↑)『従者契約Lv.3』(UP↑)『高速演算Lv.6』(UP↑)『危機感知Lv.5』(2UP↑)『豪運』『真武術Lv.5』(NEW)『隠密Lv.3』『指揮Lv.3』『覇王のカリスマ』『罠感知Lv.2』『怪力Lv.2』(NEW)『解読Lv.1』(NEW)『トラップツールLv.1』(NEW)『採取Lv.1』(NEW)
竜鬼法
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【
【
【
【
【
武技
【体技】[覇竜闘鬼 《1》](NEW) [覇竜闘法 《1》](NEW)
【竜技】[覇竜裂爪 《1》](NEW) [覇竜穿牙 《1》](NEW) [覇竜尾突 《1》](NEW)
【剣技】[メガスラッシュ 《3》] [グランドクロス《3》]
【短剣技】[クイックバースト 《3》] [烈牙 《3》]
【槍技】[嵐砲 《2》] [鬼突 《2》]
【弓技】[誘導魔矢 《2》] [貫通魔矢 《2》]
【斧技】[断罪 《2》] [旋竜斧 《2》]
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