第16話 シュート
「これも壊れちゃった。うーん、あと二体しかないなあ。じゃ、次は和彦君をやっつけるか! 正直こいつにはさっきおまたをパンツ越しに触られたから普通にコロス。……でもプレステのパッドじゃやりにくいなあ」
桜子がぼやいてる。ってかまじで触りやがったのか和彦。
俺の幼馴染だぞ。
よし、殺せ。
そこにご先祖様が奥から何かを持ってきた。
「これ、うちは使いこなせしまへんどした。桜子はんは使わはるのん?」
もはや猛虎弁ですらねえぞ、京都人?
もういっちゃうけどここは山形県だから、ご先祖様も山形県人のはずで、そのうち関西の人に怒られると思う。ちょどして聞いてろよ。
ってか、なんだそれ?
「あ! レバーレスのアケコン、ホームランボックスじゃないですか、それ貸してください!」
なんか専用のコントローラーらしいぞ。
おおっと。
桜子のやつ、本気モードの目をしてる。
まあ和彦の方はいったん桜子にまかせよう。
こっちはこっちでちょっと作戦がある。
★
「サンキュー、和彦」
美香子がほっとした笑顔でいった。
危なかった、と和彦は思った。
あと数十秒、回復魔法をかけるのが遅かったら、美香子はやけどによるショック死をしていたかもしれなかった。
重度のやけどというのは本当に怖いのだ。
「おう、助かってよかったぜ、美香子」
和彦は親指を立てて笑って見せる。
あいつはアレとかアレとか、最高に気持ちいいからな。アッチもコッチもぎゅうぎゅうに締め付けてくるし。
こんなもったいない女、死なすには惜しいぜ。
和彦がそんなことを考えているのに気づいているのかいないのか、美香子も親指を立て、とてもいい笑顔でニカッと笑って見せた。
★
「今だ、慎太郎!」
ご先祖様の声に合わせて、俺はタブレットの、
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必要マナ1000
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というボタンをタップした。
★
いい笑顔でサムズアップした美香子の足元の床が、突然パカーンと開いた。
美香子は最高の笑顔のまま、髪の毛をばさっとなびかせて穴に落ちていった。
「…………」
目の前で自分の女が突然床下に消え去って、和彦は親指を立てたまま絶句した。
そんな無防備な和彦に、フレッシュゴーレムが襲い掛かる。
フレッシュゴーレムは和彦の身体を抱え込むと、回転するように空中へ放り投げた。
なすすべもなく宙に投げられた和彦の顔に、フレッシュゴーレムが二体がかりでヒップアタックをしかけてきていた。
尻と尻にガツン! と挟まれた和彦は、そのまま白目をむいて床に倒れこんだのであった。
――――――――――――
美香子捕獲成功
次回は掲示板回
その次から美香子ちゃんがひどい目にあいます
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