第6話

「旅館の女将かよ! 次はキラキラ連れて行ってくれるんだとさ・・・。」両

眼をキョロキョロして、周囲に壁耳を注意していて、視線はキリコに戻った。

>  クリスマスイブまで予約取ってあるんかとキリコが囃し立てたが、バツイチ

の特権だと、ナオミの切り替えしで話しが思わぬ方向へ行くとも知らずに二人の

喫茶話は続いていた。

>  成り行きに任せていた。キリコはどうするんだろうクリスマス・・・。

> 「でも、キリコの旦那さんどうするの?クリスマスは一人ぼっちよね?」

>  思い出したかのようにキリコの夫の話にナオミが方向転換したのは自分だけ

男性二人に告白されて嬉しかったが、キリコにも幸せを分けたいとの友情と女心

だった。

>  決して意地悪では無かった。 

>  中国道をひた走るカローラ・・・。

> 播但道ジャンクションを過ぎた辺りから追跡のパトカーが増えて来た!

>  頻りに「停まりなさい」と、車外スピーカーから流れていたがやがては・・・

> 「止まれ!止まらんかいこらぁ!」と、舌を巻いて臨戦態勢を取って来た!

> 「おい、キリコ、もうアカンな・・・。」鬼瓦権造(おにがわらごんぞう)は、

助手席のキリコに言った。

> 「世話になった。と言いフロントドアを開けて転がり落ちたんだよ!助手席の

アタシを置いてだよ!?でも、シートベルトが引っ掛かって引き摺られてねえ・・

・。」

>  呆れ顔で右足を組んだ。

> ニーハイブーツが似合いそうな長い足、ボーイッシュなショートショート。赤

い唇。

>  話し出したら止まらない、身振り手振りで話を続けるキリコはうっすらと目

頭に涙が溜まっていた。

> 「5台だよ5台! 

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