(外国人が書いた小説)仕事を辞め、プロゲーマーになった俺は、JKと同棲した

ワタヌキ渡狸

第1話しゃがんでいる子とカミゲー

空は暗く、陰鬱だ。天辺から伸びた雲がこの町を包み込んで、雪が降りそうだ。午後四時なのに、太陽の光がこれっぽっちも見えねえ。


「ハッハッ、間に合ってよかった」


小走りで会場に向かう際、階段下の一角にひとりの人影がいた。


「なにしてるのアイツ」


呟きながら、俺はその人の前に通り過ぎて、階段を上がった。


......


「なにしてるの?」


階段の上で下にしゃがんでいる人に声を掛けた。


声に掛けされた人は左右を見回し、信じられないように自分に指差しする。


「いや、お前しかいないだろう」


「......」


下にいる人はただ無言で俺を眺めて、まつげは震える。


大きなマスクが顔をすっかり覆い、帽子もかぶっている。けどただやさしい目元と外に散らかった長髪から判断できるのはこの子が女の子だ。


いや、もしくはあれ?実は女装の男?ここにしゃがんでいて、全然声を出さずのも恥ずかしいから?


「手中のあれ、チケットでしょう?もうすぐ始まっちゃったよ」


「......」


「天気が寒いだね、しゃがんで足痺れた?」


女の子(仮)に足を運び、手を差し伸べて尋ねる。「どう?立てる?」


女の子(仮)が迷って俺の手を見つめ、最後に自分の手を俺の手のひらに軽く置いた。


彼女の手がズルズルで、冷たい。力を込めてこの子を引き上げて、立ち上がった彼女がそこに立つだけで足は微かに震えている。


やっぱ痺れてしまったか。俺の推測があってるということで、やはり男の娘か?まあ、そっちもいろいろ大変だしやさしく接してあげよう。


「俺も入場するから、一緒に入る?」


男の娘が軽く頷いた。


「XXFのB会場、XXFのB会場、あっ、あったあった」


チケットの指示通りに、俺たちが会場に向かい、開始前三分に到着した。


「チケットをちょっと見せて、お前の座席番号は......えっと俺の隣じゃん!奇遇だね」


「......」


「ヘルメットはこうかぶって、起動ボタンはここ、具合が悪い時にはここ」


「......」


「まあとりあえずはこれぐらい、何か困ったらまた呼んで」


「......」


男の娘にいろいろ教えた後、俺もヘルメットをかぶって、自分が期待してた新世代MMORPG——レドリーム(ReDream)を体験始めた。


......


「ハーッ、面白かった!レドリームマジで最高、一秒でも早くやりたい!」


「......」


男の娘はまだ無言のままだけど、微かに頷いて俺の言葉を賛同したようだ。


「だろう!この新型ゲーム機FLHは普通のVR設備を超え、直接神経とつながるの。会社ブルーボックスも10年以上の開発して、やっとこのFLHとゲームレドリームをできたんだ。それでそれで......」


目の前の人はただ静かに俺の言うことを聞いて、首はちょっと傾げる。


「悪い悪い、俺ゲームの話しにしたらこうなるの、ごめんね」


「......」


彼は力強く頭を左右に振って、どうやら「そんなことがない」と俺を慰めようとする。向こうもやさしい人だなあ。このまま俺たち二人で人の流れに沿って会場を出た。


「じゃあこれで」


俺は片手で別れを告げる。


目の前の人は指を摘まんで、まだ何が言いたそうだ。


これを気づいた俺は催促なく、ただ静かに彼の言葉を待つ。人々がそばに通り過ぎて、まるで俺二人だけが時間停止されたようだ。


「その......」


何度躊躇った後、急に勇気を湧いたように、彼は声を出した。


「......バイバイ」


それしか言えなかった。


「おお、バイバイ」


へー、声意外と細いわね。そう思い、俺はここから離れた。


......


帰ったら感想文を書かないと、これ紛れもなくカミゲーだよカミゲー。タイトルはどんな感じしようか。「カミゲー誕生!!!!超!超!超!面白いゲーム:レドリーム!!!」みたいな?


うんんんんん、インパクトが足りないなぁ、もう何個「!!!!」を付けようか?それとももっと「超」が必要か。


このままずっとタイトルの悩みを続き、歩いた時も、電車にいた時も、帰って感想文を書いた時も。


書き終わって、俺はやっとレドリームをプレイした胸の高鳴りを抑え、先まで作った感想文タイトルを見直す。


ウンザリの「!」を取り消し、自分らしいタイトルを作った。


「未来からの贈り物 レドリーム体験感想」と。


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