テツヤとナナ
薄神てつな
第1話
四人は物心付いた時から一緒だった。
幼い頃に互いの両親が亡くなり、養護施設に引き取られたのだ。
施設には学校が併設されており、様々な年齢の子ども達が同じ屋根の下で暮らしていた。
テツヤとナナには多くの共通点があった。
一番の共通点は二人共が双子であると云う事である。
テツヤは双子の兄弟の弟で、ナナは双子姉妹の姉であった。
双子なので、歳の差は無いのだが、やはりナナはお姉さん気質のしっかり者で、テツヤは弟にありがちな少し甘えん坊の性格だった。
とは言うものの学年は同じであったし、テツヤが5月ナナが7月産まれだったので、二人の間では僅かに兄妹の立場関係が見受けられたが、周囲からは姉弟の様だと思われていた。
二人は共に読書が好きで、自然を愛した。
どちらかというと物静かな二人は図書室で、或いは公園の木陰で良く一緒に本を読んでいた。
同じ歳格好の子供達が走り回って居るのを尻目に穏やかな時間を過ごし、運動よりは散歩をしているような子供だった。
小さい時は何も意識すること無く育った二人だったが、成長と共に互いに惹かれ合って行ったのはあまりにも自然な流れであったと言えよう。
テツヤとナナ 薄神てつな @nana523
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