きっかけは森林公園で

ただ仁太郎

第1話 出会いと始まり


 大地に爪痕つめあとを残したい。


これは、俺の本心である。


端的に言うと、自分が生きたというあかしを後世に残したいという意味だ。


俺の名前は安芸仁平。どこにでもいる大学1年生だ。


今までの人生は陰キャで彼女なし、恋愛経験ゼロを極めた俺の青春時代は黒歴史である。


俺は顔も特別良い訳ではないし、何の特徴もないモブのような男だ。


そんな俺がはまっている物がある。


そう、WEB小説だ。何を隠そう陰キャ時代、俺の孤独を癒してくれた相棒的存在と言っても過言ではない。


せっかく、大学に入ったわけだし、何か新しいことに挑戦したいと思った俺は、早速、小説投稿サイトに投稿することにした。


まずは、ネタ探しだが、何が良いか?


「散歩すれば、ネタが思いつくかもしれない。」


当てもなく俺は近所の自然公園へと缶コーヒー片手に散歩しに行った。


今は土曜日の昼だ。


家族連れやお年寄り、犬の散歩をしている人たちでにぎわっている。


この自然公園は近所でもそこそこ大きな規模だ。


俺は大きな池が見える東屋あずまやのベンチに腰掛け、ぼーっと景色を見ながら、コーヒーを飲んだ。


いつの間に寝ていたのだろうか?


目を覚ますと、同じ東屋あずまやの向かい側の席に若い女が読書をしている。


ブックカバーをしていない小説の表紙が目に入る。


官能小説を読んでいるじゃないか!


俺は気まずくなり、その場を後にした。


週明けの月曜日はいつも通り大学が始まる。


「よう、安芸!どうした?何か考え事か?」


「なんだ。永田か。なんでもない。」


「おい、そりゃないだろう。また、恋愛のことか?」


渋々、俺は中学時代からの腐れ縁である友人永田に土曜日のことを話した。


「ほう、その訳あり美女にご執心というわけか。」


「そんなんじゃねえよ。」


その日俺は、大学の講義が終わり、バイトへ向かう。


サークルに入ってない俺はバイトくらいしかすることはない。


近所の居酒屋でいつも通り焼き鳥を焼く。


ガラガラガラ


店内に客が来たことを扉の開く音が告げている。


「いらっしゃいませ!何名様です・・・・・・」


あれ?この人見覚えあるんですけど。


「一人よ。」


俺はカウンター席にその女を案内した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


こんにちは!ただ仁太郎です。今回、初めてラブコメにチャレンジしてみました。楽しんでいただけると嬉しいです。

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