第7話 成長と確証
ダンジョンにて―――
コアと4体の魔物がいるこの部屋は迷宮の最奥、いわば玉座の間だ。
ダンジョンコアと一体化した今、コアに何か不測の事態が起きれば、ダンジョンの崩壊に繋がりかねない。
冒険者ギルドにこのダンジョンの存在を知らせた以上、コアは有事に備え常にこの部屋に座し、ダンジョンの管理に勤しんでいた。
「冒険者が、増えてきたね」
「はっ、本日は2組……いずれも3人です」
コアは、自身の前で4体の魔物の報告を受けていた。
一歩前に出て、膝をつき平伏したまま言葉を紡ぐのは『
他の魔物もそれぞれ『
魔物は魔力を吸収し、それを基に身体の構造そのものを変えていく性質がある。
それ故、戦いに身を投じていたり、長い時を過ごした魔物程強大な存在となるのだ。
「被害はどれほどだい」
「こちらは『
冒険者側は4人が死亡、2人は『
「念のため聞き取りして、終わったら殺しておいて、あとで『
「はっ」
『
『
「多分だけど、冒険者ギルドが派遣した人間たちじゃあない。
耳が良いだけの、抜け駆けでやってきた類だと思う。
冒険者ギルドがやってきたにしては人数も少ないし、早すぎるからね。
冒険者たちが本腰を入れてやって来る前に、こちらも出来るだけ成長しておく必要がある。次は『
「必ずや武勲をたてて見せましょう」
「拝命いたします」
『
「ごめんね、本当は俺……私が、常に、その都度、細かく指示を飛ばせればよいんだけど。
ダンジョン内を知覚できるとはいっても全体を把握しきれるわけじゃあないし、今後人間が増えてきたら、とてもじゃないけど対処しきれないと思う。
だから、君たちを主軸としてダンジョンの防衛を行っていくつもりだから」
「「「はっ!」」」
再度平伏し、部屋から退室する4体の魔物を見ながら、コアは思案する。
魔物は戦いと時間を通して成長していくが、ダンジョンコアである自身には、『
魔力さえ蓄えれば『
それだけ見れば『
しかし、戦いの場を踏んだ『
戦闘経験だけでなく、純粋な身体能力も差が出ている。
また何よりも、
魔物たちは、食事を摂る代わりに魔力を吸収して身体を維持する(食事が摂れない、というわけではないが)。それは強大な魔物ほど大きくなる。
つまり『
そのため、いくらコアに『
しかし、『
……このことは、コアと一体化した『
『
本来であれば手間もかかる上、無理もない話……だが、コアは初めて試みようとしている。
「私は……やるぞ」
コアは目を瞑る。
実現すれば、他のダンジョンをはるかに凌ぐ戦力を作ることができる。
地の果てまで行進する、魔物たちの軍勢を。
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