短編集

柊木緋楽

Shelter シリーズ

第1話

“君の目では、あれは追えないよ”

 彼女は最期にそう言い残した。

 無数の弾薬を携えて、一人宵闇へと姿を消した。

 それは既に十数年も前の事だけど、今でもはっきりと憶えている。

 なんで消えたんですか。僕を置いて。

 あれはどういう意味だったんですか?教えて欲しかったんです。

 あなたは元気ですか?今も笑顔を絶やさず、生きられていますか?

 ……母さん。

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