海軍航空魔道士の奮闘記

開戦に向けて

プロローグ

俺の名前は『アル・エルドリード』

神様だと言うやつにこの世界に転生させられた元日本人だ。

今、俺が住む祖国『帝国』は地形や歴史的背景から見て間違いなく前世の『ドイツ帝国』と言えるだろう。

だが違いとしてはこの世界は前世の様に戦車や航空機、戦艦等が有るのに魔法まで存在する世界であり、前世では第一次世界大戦が起きた年でも大戦は勃発することはなかった事だろう。

その為、1918年現在においても帝国は新興国ながらも大国として存在している。

まあその帝国だが中々、ヤバい状態だ。

他の列強各国に囲まれ、孤立無援であり、周辺各国より頭1つか2つは軍事面で上を行くが、合衆国の様に隔絶した力が有るわけでは無い中途半端な国であり、このまま行くと世界を相手に戦う事になるのは日が見るより明らかだ。

まあその沈みかけの帝国に居る訳だが、運が悪いのか、あの神様のせいか、はたまたもう1人居ると云うイカレヤロウのせいか、俺は魔道士としての力があった為、半ば強制で軍に入る事になった為、前世から好きだった海軍への入隊を希望し、晴れて今日から海軍海兵隊所属の海兵魔道士になった訳なのだが、俺は今海軍少将の眼の前で冷や汗を流していた。

理由は単純明快で俺が書いた海軍士官学校卒業論文

『海軍建設の今後と仮想敵国に対抗する為の戦略ドクトル』

が原因だ。