第七十七話 共鳴突破、彼の最後
スノウの姿は、セクヴァベックでロキと戦った姿と同じ。
右目は青色、左目は赤色、髪色は青から白になりスノウとフェンリル・テュールが融合した状態。
この力は、
セラも同様に、右目は黄色、左目は赤色、髪色はピンクから黒になり、フェンリル・ヴァールと
ガギーンッ!
リサは残ったゴブリンを倒し、スノウ達を振り返る。
「あの姿は、ロキと戦った姿!」
ズシャン!
ヒメノも最後のオークを倒した。
「兄さん、それにセラさんも!」
気付けば、スノウとセラが戦っていたオークとゴブリンはいつの間にか倒されていた。
「二匹の狼か!失せろ獣が!」
ピーンッ!ブンッ!ブンッ!
先程の
「ついて来れるな、セラ。」
「うん、行くよ、お兄。」
シュンッ!シュンッ!
二人の姿が全員の目から消える。
「なっ、消えーー。」
「
バキーンッ!
音速を超えて迫った回転斬りが、デュポンのガードごと吹き飛ばす。
「うぐっ!なんだ、なぜ見えなーー。」
「後ろよ。
ドゴォォン!!
セラの二刀の縦振りが、塵も残さない勢いでデュポンを襲う。
「くっ!」
ギリギリで直撃は避けたデュポンだが、腕から血が流れ出す。
先程まで彼がいた場所は、地面がひび割れている。
「なんだよ、こんなの人間じゃない!」
「てめえに言われたくはねえよ。」
サァーッ。
スノウの周りは冷気が立ち込めており、氷点下に達するのではなかろうか。
ビリリッ、ビリリッ。
セラの周りは、電気がばちばち走り回り、触れただけで感電してしまいそうだ。
そして、二人に共通して言えること。
二人は、獲物を捉えた狼にしか見えなかった。
「くそが!最強は俺だ!過去の英雄は、眠りやがれ!!」
ブンッ!
負けじとデュポンも高速で接近する。
「笑わせんな、その程度が最強?だとしたら!」
カキーンッ!カキーンッ!
スノウは刀で拳を華麗に弾く。
「くっ!」
「てめえの辞書は、誤字だらけだ!」
ガゴーンッ!
スノウの足蹴りでデュポンは跳ね返される。
「げほっ、げほっ。まだだ、まだ俺はーー。」
「そうよね、まだ死なれては、今まで殺された人が浮かばれないわ。」
一度瞬きしただけで、目の前にセラが迫っていた。
「なっ!?」
「遅すぎよ。」
ガシッ! ブンッ!
片手でデュポンを掴み、ブレイザブリクの裏門の方へ投げ捨てる。
ガランッ、ガランッ、ガランッ。
デュポンは傷だらけになっていた。
「はぁ、はぁ、こんなはずじゃ。話が違うじゃないですか、バルドル様。」
カタッ、カタッ。
フラフラしながらも、何とか立ち上がる。
スタッ、スタッ。
「さあ、デュポン。終わりにするぞ。懺悔の準備はいいか?」
スノウは二刀を構える。
「あんたを許すつもりはない。さあ、今まで犯した罪を数えなさい。」
セラも同じく戦闘態勢。
「くそっ!俺は、何も悪くない!俺がルール、俺が最強なんだ!!」
ボゴォォ!!
全身を闇魔法で覆い、それを一つの斧とする。
「消し飛べぇ!!
シュンッ!ブンッ!
闇の斧を構え、二人に迫る。
「いくぞ、テュール、セラ。」
「うん。いこう、ヴァール、お兄。」
シュンッ!シュンッ!
二人も迎え撃つ。
「うおぉ!!」
パキーンッ!!
目に見えぬ速さで、闇の斧が斬り壊される。
そして、
デュポンを挟み撃ちするように、二人が迫る。
「やめろ、やめてくれ!」
「言っただろ、てめえはその言葉を踏み躙ったんだ!」
ここからは一秒にも満たない出来事。
スノウとセラの行動は完全にリンクしていた。
そして、
「
ザッザッザッザッザッ!
すれ違いざまに、二人の雷撃と氷撃が五連続でデュポンに刻み込まれ、その剣筋は誰の目にも止まらなかった。
ザザァーッ。
二人は斬り刻んだ後で、砂埃をあげ止まった。
ブシャッ!
デュポンは至る所から血を流し、崩れ落ちる。
「ぐほっ、ぐほっ。そんな、この俺が。」
彼の重要な筋肉や骨など、今の一瞬で全てズタボロにされた。
「俺は、まだ、まだぁーー。」
グワァーン。
中指につけたメギンギョルズから黒いモヤモヤが生まれる。
そのモヤモヤは、デュポンを包み込んでいく。
「な、何だ!来るな!」
「っ!フェンリル、あれは!?」
(あれは、メギンギョルズの怒り。奴が装備者を自分を使う資格なしと判断した場合、その命を奪う。)
「う、あぁ!俺は!俺はこの世界を!平和にーー。」
シューンッ。パリンッ。
モヤモヤは治り、メギンギョルズも砕け散る。
バタンッ。
デュポンもその場に倒れ、息を引き取る。
「平和……か。平和にするってのは、何が正解で間違いなのか分からねえ。……ただ、お前の平和は、周りには受け入れられなかったみたいだな。」
シューンッ。
「
二人は元の姿に戻る。
「兄さん!」
「セラチン!」
タッタッタッ!
ヒメノはスノウのところへ、リサはセラのところに走り寄る。
「大丈夫だ、今分かったこともあるし、後で話す。」
「心配してくれてありがとう、リサちゃん。後は……。」
タッタッタッ。
ユキナはセドリックに寄り添う。
「セドリックさん、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。ありがとう、ユキナくん。」
スサッ。 ザッ、ザッ、ザッ。
セドリックはデュポンのところへ向かう。
そして、その手を取り、
「デュポン前隊長。あなたのやりたい事は、本当にこんな事だったのですか?」
彼の手を自分の頬に当てる。
「あなたが、僕に教えてくれたのに。命は、おもちゃではないと。」
戦いは終わりを迎えた。
ただ、全て解決とは、いかないだろう。
第十二章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第十二章まで読んで頂きありがとうございました。
ホープは新たな力について知り、ブレイザブリクも守れました!しかし、全て終わったわけではなさそうです。
次章は、新たな敵が迫ってくる!?
スノウ達の今後を気になってくれる方!
誰がくるの!? 裏で何が!?
ホープの六人を応援してるぞ!
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューや★評価とフォローをお願いします!
ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!
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