第30話 才能と器
「「才能?」」
ボクとシアンが声を揃えてそう呟いた。
そして、お互いに顔を見合わせる。
「そのままの意味よ、その人の持ち得る技量の才能の値なの。
これを出せるのも見ることができるのも巫女・神官系列の称号を持つ者にしか見ることができないものよ。
それにしても、ハルマン凄いわね。
全ての才能の器が最高のSSSよ」
「SSS?それで最高値なの?」
そう、ボクが母さんに訊ねる。
ステータスを見る限りだとFとかCとかあるみたいだけど。
「G、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSの10段階よ。
それに、器によってあげられる上限があるの。
それにしても、数日でAになってるなんてどれだけ頑張ったの?」
「えっと、訓練場で早朝にフルプレートつけて2時間くらい走って、朝ごはんの後から夕方まで延々に案山子を木剣で殴ってただけだけど」
「リリアスお母様、だけではありませんわ。
ハルマンは、案山子を3時間経過した地点から一撃で案山子を壊せるようになって1万体ほど壊していたんですよ」
「「え!」」
アクアさんと母さんが驚いていた。
え、そんなに驚くことなのかな?
「ハルマン、あの案山子は・・・普通は壊せません。
壊せるのは、余程の実力を持った剣士だけです」
「え、あんなに柔らかいのに?」
「貴方の剣が重いからです。
ウェインですらもう勝てないと言っていたくらいですよ」
「シアンちゃん、分かったわ。
ハルマン、普通はフルプレートをきて2時間も走れません。
そのあとに夕方まで案山子を叩きつけれません。
なぜなら、そんな体力は普通の人にはないからよ。
だから、そんな筋肉質になるのよ・・・まあ、5日でそんなになるのもおかしな話だけど」
5日?ああ、母さんと別れてからか。
それを聞いて、シアンが首を傾げる。
「リリアスお母さま、違います。
その訓練は一昨日に一日だけで、ハルマンは昨日一日寝ていたのです」
「一日でこんな感じになったの!
うーん、回復魔法でも無意識に使っていたのかしら。
そうしないと筋肉痛というよりも筋肉の欠損が激しくて一日では復活できるはずはないだろうけど。
回復魔法では、治してしまうから自己治癒力を向上させる何かを・・・」
そう言って母さんは一人で考察を始めていた。
こう聞いてしまうと異常なことだったのだと理解できる。
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