第28話 ティータイム

ボクらは、アクアさんに連れられ中庭に来ていた。


中庭に設けられたガゼボには、大きなテーブルが中央にある。


そして、テーブルが用意されそこには三段にお皿が取り付けられたケーキスタンドがあった。


ケーキスタンドには、一番下にサンドイッチ、真ん中にカップケーキやロールケーキ、ショートケーキなどで、一番上にはスコーンとフィナンシェが載せられていた。

テーブルのそばでは、メイドが紅茶の準備をしていた。


備え付けられていた椅子は大人が二人掛けしても少しは余裕がありそうな幅があるためかボクに寄り添うようにシアンが隣に座っている。


アクアさんが左側の椅子に、その対面に母さんがそれぞれの椅子に腰を掛けていた。


「シアンは、ホントにハルマンくんのことが大好きね」


「もちろんです。お母様。カッコよくて可愛いのです。

ここ数日でワタクシ好みの筋肉質な身体つきになってうっとりしてしまいます」


「あらあら、シアンちゃんたら。

でも、5日前に見送った時と見違えるような身体つきだものね・・・ハルマン。ステータスを確認させてもらうわね」


ボクは、3人にじろじろと見られていた。


とても居た堪れない。


「フル・ステータス・オープン」


そう母さんは、呟いた。


フル・ステータス?


「あのリリアスさま?フル・ステータスとは?」


「あら?シアンちゃん。

もう、私のことは母と思ってくれていいのよ」


「あ、はい・・・では、リリアスお母様」


「うふふ、嬉しいわ・・・あ、フル・ステータスの事だったわね。

いま、これでハルマンの神の窓が開示されているわ。

見てみて・・・普通のステータス・オープンと違うところがあるから」


そういって、3人がボクの神の窓を見る。


ボクも見る。


洗礼式のあの日に見た神の窓とは見えているものが明らかに違った。

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