片田舎の小さな村出身の少年(実は勇者の隠し子)、ある日盗賊に襲われたお嬢様を助けたら求婚された。
天風 繋
序章 お嬢様から求婚された
第1話 ある日、森の中
ボクの名前は、ハルマン・シーク。
姓があるわけではなく、シーク村の出身という意味だけしかない。
シーク村のハルマンくんと言うわけだ。
さて、ボクことハルマンは早朝シーク村を出て辺境伯領の領都「ツァエリ」へ向かっていた。
シーク村は、魔族領と辺境伯領の領境にある前線の村である。
その村で、母さんと二人で生活をしていた。
父さんは、ボクが生まれた時に旅に出て帰ってこなかったらしい。
そして、その日から今日で12年。
ボクは、明日の洗礼式を以って成人になる。
森の出口辺りでなんか争う声が聞こえる。
ボクは、駆けだす。
装備は2つ。
左腰の狩り用に愛用しているショートソードと左手首の小型クロスボウだけ。
装備としては心許ないけど仕方ない。
やがて、見えてきた。
騎士のような出で立ちの兵士と盗賊が1台の馬車を巡って争っていた。
盗賊の数は、20。
騎士は、5人ほどだろうか。
ボクは、クロスボウに矢をセットする。
そして、盗賊の急所を的確に狙っていく。
矢の残数は、10本。
5本を切った時、ボクは捕捉された。
ショートソードを抜き、盗賊と対峙する。
「騎士様。加勢します」
「少年、助かる」
ボクは、この森で狩りを生業に生きてきた。
ここのモンスターに比べれば、きっと大したことない。
そうだろう?
だって、ここは魔の森なんだから。
クリムゾンベアに比べれば力は弱いし、サイクロンウルフに比べれば止まってるようにさえ見える。
だから、いつもみたいに逃げなくてもいいはずだ。
ボクは、一人の盗賊と切り結ぶ。
強い、でも怖くはない。
そうしていると矢が当たった5人の盗賊が倒れた。
やっと効いてきたみたいだ。
ボクの矢に塗られた麻痺毒が。
もちろん、ショートソードの刃にも塗ってある。
ボクが引き付けている間になんとか騎士が頑張ってくれるといいな。
ボクが目前の盗賊と切り結び続けている間、一人二人と盗賊が倒れていく。
騎士の練度が高いようだ。
そして、目の前の盗賊も麻痺毒で動けなくなる。
ボクは、再びボウガンで盗賊を沈めていく。
そうして、ボクらは勝ち残るのだった。
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