第8話

「ずっと昔、わしらは、神の元、ただ、ふわふわと漂うような存在じゃった。」


その存在に、始まりはなく、初めから、そこにいたのだと言う。

性別もなければ、年齢もない。

ただ、初めから存在し、漂うものだった。

やがて地球という星が生まれ、そこは、青と緑の美しい星へと変わっていった。

神は、漂う者たちに命じた。

あの美しい星を守りなさいと。


「そうしてわしらは、例えば木に、例えば岩に、

この地球のあらゆるものに宿る者となった。

それは、わしらにとって、学びの機会となった。

ある者は数億年、ある者は数万年、

地球での学びを終えた者は、また神の元へと戻っていく。

再び、神の元で漂うだけの存在となったわしらに、神は問うた。

神になりたいかと。

神になりたいという幾つかの声を聞き、神は、わしらに試練を与えた。

神になることを願う者は、願いを叶える者として、修行をするようにと。」


そうして、宿る者の役目を終えた彼らは、

再び、願いを叶える者として、この星に戻って来たのだと言う。


「わしは、神になるための修行の身なのじゃよ。だから、神様とは違う。」





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