俺は凡才で行く!
金目の物
1章 凡才転生者
第1話 キリ番報酬
「パンパカパーン!」
突然のファンファーレに驚いて目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。
「おめでとうございます!あなたは記念すべき111,111,111,111人目の死者です!」
「はあ?」
目の前には若い女がいて、訳の分からないことを言っていた。
…いや、そういえば、俺は死んだのだった。
「最期は確か…トラックに轢かれて…」
「そんなことより、あなたにはキリ番報酬として好きな世界に転生する権利が与えられます!やったね!」
「いや、そんなことって…」
…でもまあ、いいか。
死んだ後に生きてた頃のことを思い出しても仕方ない。
で、何だって?
転生?
「え、転生出来るんですか?マジで?」
「マジです!さあどうします?このまま死んで無に帰りたければ、それでも構いませんが」
死んだら無に帰るのか…。
どうなるのか想像もできないが、流石に嫌かも。
「じゃあ、転生で」
「かしこまりました!転生先はどちらにします?過去、現在、未来、どんな世界にでも転生できますよ」
「じゃあ…」
俺は『中世っぽい剣と魔法のファンタジー世界』を選択した。
転生っていったらやっぱ中世だよな。
「なお、選択できるのは住む世界だけで、どのような生まれになるかは運次第です。いわゆる親ガチャですね」
「親ガチャかあ」
「なお、こちらが確立表になります。特権階級が3%、上級市民10%、平民80%でハズレが7%です」
「ハズレ!?」
「ハズレは被差別身分ですね。うっかり7%を引いた場合は控えめに言って酷い目に合います。まあ大体は平民なので大丈夫大丈夫」
「いやいやいや」
7%ってまあまああるぞ。
ウ〇娘ならワンチャン事故る確率じゃねーか。
「後は転生特権ガチャですね」
「転生特権ガチャ?」
「転生者には転生者だけの特別な能力が与えられます。こちらが転生特権ガチャの確立表です」
特等…不老不死、0.001%。
1等…幸運SSS、0.002%
2等…魔法の才能SSS、0.1%
3等…剣術の才能SSS、1%
4等…無病息災、2%
5等…人生が楽しくなる能力(商才、魅了等)、4%
6等…便利な能力(鑑定、アイテムボックス、ステータスウィンドウ等)、8%
7等…1億円相当の金、16%
8等…各種耐性(恐怖耐性、毒耐性等)、32%
9等…そこそこの能力(魔術C、剣術C等)、35%
ハズレ…不幸SSS、ED等、1.897%
「おお、7等でも1億…って、何で毎回ハズレがあるんですか!?EDってこれ勃●不全!?」
「昔は無かったんですけどね…。8,9等で文句言う人間が多かったので、ハズレ枠を作れば当たりのありがたみを感じてもらえるかと思いまして」
くそ!
昔の奴らめ…余計な事しやがって!
でもまあ、2%以下なら流石に平気か。
シャ●マスでも無視する確率だ。
「では、この箱から1枚引いてください」
「完全にくじ引きじゃないっすか…まあ、いいか。これだ!」
「見せてください。こ、これは…!おめでとうございます!!!」
「え、何か良いの当たったんですか!?」
「はい、8等です!」
8等…って何だっけ?
「毒耐性です!」
「…うーん、この…」
毒耐性…微妙過ぎる…。
すまねえ、昔の人達。
今なら皆の気持ちが分かるぜ…。
何なら9等の魔術Cの方が良さそう。
「何かご不満でも」
「いや…毒耐性って、具体的にどうなるんですか?」
「毒を全て無効にします。これで毒殺される心配とはおさらばですね!」
毒殺される心配のある人生ってどんなだよ?
あ、でも貴族に転生すればワンチャン?
「以上で転生手続きは全て完了となります。親ガチャの結果は転生してから現地で確認してください」
「あ、はい」
「なお、転生に関する不満等は一切受け付けませんのでご了承ください」
最後に不穏なこと言うのやめてもらっていいですか?
フラグじゃないよね?
大丈夫だよね?
7%引いたら全然文句言うからね俺?
「それではいってらっしゃいませ!良き転生ライフを!」
こうして俺は転生したのだった。
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