(3)

「ふざけやがって、このアマッ‼」

「待って、ちゃんと、王様達も助けるつもりだったのよッ‼」

 会話しながら、魔法の矢が飛び交う。

 拳で語るならぬ、攻撃魔法で語る、女の子っぽい、微笑ましい姉妹弟子同士の関係。

「どうせ、助けるって言っても……酒のついでだろうがっ‼」

「えっと……それは……否定しないけど……そんなに、うるさく言う事ないじゃない」

「だぁ〜まぁ〜れぇ〜ッ‼」

 魔法の矢の流れ弾を食らいながら、奴隷人間と化した衛兵達は……粛々と私の命令に従っている。

 約半数は、仲間の頭が魔法の矢で貫かれても、全く動じず、荷馬車の用意。

 残りの約半数は……ゾロゾロと私の後とついて回っている。

「があああ……ッ‼」

「うがあああ……ッ‼」

「あ……」

「そんな……」

 市街地から……魔物の大群。

 どうやら……王宮の結界が崩れたせいで……魔物たちが、まだ生きた人間が、この町に居る事を察知したらしい。

「いい? 時間が無い。2手に分かれよう。私は酒を確保する。あなたは王族を助けて」

「言いたい事は……山程有りますけど……時間が無いのは確かですね……」

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